僕のヒーローアカデミア

□第1話
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『失礼します』


職員室へ入れば、久しく見た黒髪の少しクセのある長い髪。


『イレイザ…相澤先生!』

「ん?あぁ、お前か」

『お久しぶりです!』

「元気そうでなによりだ」


よっこら、と言いながら名簿を持ち、教室に行くぞ。と出てきた相澤先生。

相変わらずだなあ。と、思いながら後ろをついていく。


「知ってると思うがお前はA組な」

『はい』

「…昨日は大丈夫だったか?」

『…はい、先生が気にするほどでもないですよ』


にっこりと笑えば、相変わらずだな。と言われた。


「んじゃまあ一緒に入って来い」


ガラガラと扉を開けると、シィィイインと静まる教室。

だが、私が入っていくと一気にザワついた。


「静かにしろ」

「「……」」

「昨日言ってた奴だ」


顎で、自分で紹介しろ、と言われる。


『嘉風舞です、昨日は忌引で来れませんでした。よろしくお願いします』

「ま、そういうことだ。仲良くしてやれ。席は…八百万の後ろだな」


あそこ、と指を指す先には1人だけ列にはみ出た場所だった。

…まぁ21人だとこうなるわな。


『(仕方ない……)』


席に着き、朝のSHRを終えると、前の八百万さん?が振り返った。


「嘉風さん…でした?」

『え?あぁ、うん』

「私、八百万百といいますの。よろしくお願いしますわ!」

『うん、こちらこそよろしくね!』


百って呼んでいい?と聞けば、ええ、とニッコリ微笑む彼女。

…美人だなあ。


「わ、私も…舞、と呼んでよろしいですか?」

『!!うん!全然いいよ!』


百と話していると、斜め前からの視線。


「あ、轟さんも挨拶しておきます?」

「…あぁ。

轟焦凍だ。よろしく」

『嘉風舞です、よろしく』

「…嘉風……」

『?』


何か言いたげな轟くんに、どうしたのか、と聞こうとすると、なァ!と集まってきたクラスメイト達。

お互い自己紹介をした後、おい!お前も自己紹介!と、ある男の子を呼んだ切島くん。


「おい!爆豪!」

「チッ、うるせえ!」


隙間から見えた顔に、あ!とおもわず声をこぼしてしまった。


「あ?」

『…爆豪…って、なんか…聞いたことある…いや、見たことある……』

「え?嘉風、爆豪と知り合い?」

『いや、知り合い…というか…どっかで見たことある気が…』

「……近所の奴か」

『!!それだ!!』


と、言う声が意外と大きかったのか、皆ビクッ!と肩を揺らした。


『あっ、ご、ごめん!』

「いや、ちょっとビビっただけ…」

「で、爆豪とは家近いのか?」

『あ、うん。私が爆豪くん家の前通る感じ』

「あれ?緑谷は知らねえの?」

「ぼ、僕は知らないよ!」

『爆豪くん家と緑谷くん?家の間に、私の家があるのかも』


とにかく、よろしくね。と微笑むと、ムッと眉間にシワを寄せた爆豪くん。


「気色悪ィ笑い方」

『……』

「おまっ、失礼だぞ!」

「き、気にすんなよ!」

『…うん、へーき!』


いつもあんな感じ?と尋ねれば、あぁ…まぁ。とビクビクしながらも答えた緑谷くん。

…見たまんまだなぁ。

と、そんなやり取りを終えれば、プレゼントマイクがやって来て、早速普通科目の授業が始まった。

――午前中の授業が終わり、お昼はどうしようかと思っていると、百に一緒に食べましょう。と声をかけられ、耳郎さんも一緒になることに。


『あの、いいの?』

「ええ!皆で食べる方が楽しいですわ」

『いや、その、耳郎さん…』

「響香でいいよ。私も舞のこといっぱい知りたいし、一緒に食べよう」

『!…ありがとう』


ご飯を食べながら、2人の話を聞きつつ、相槌を打っていく。


「…で、舞は自分のこと何も喋らないじゃん!」

『いや、特に話すことないし…』

「どんな些細なことでもいいですわ!」

『えっ、ええ……』

「ほら、家族の事とかさ」

『……』


…家族のこと、か…。


『……』

「「??」」

『…普通の平凡な家庭だよ』

「そっか〜」

「まぁ、また今度色々な話をしましょう!次はヒーロー基礎学ですわ!」


教室に戻り、席に着いて先生が来るのを待っていれば、ふいに感じる気配。

…もしかして…??


わーたーしーがー!!!

普通にドアから来た!!」

『(すごい…!本物のオールマイト…!!画風が違う!!!)』


すご…と唖然としていると、早速だが今日はコレ!と"BATTLE"と書かれたカードを出した。


「戦闘訓練!!」

「戦闘…訓練…!」


事前に提出しておいた"個性届"と"要望"に合わせたコスチュームが(何故か)教室の横から現れると、着替えたらグラウンド・βに集まるんだ!と先に出ていくオールマイト。

…そういえば、要望という要望をあんまり出さなかったんだけど…どうなったのか、私のコスチューム。

なんて、思いつつ、百と響香と更衣室へ向かった。


『…百…。結構、その…大胆だね』

「そうですか?個性を100%使うにはピッタリですわ!」

「私絶対ムリ」

『わかる…』


なんて、響香に共感したものの、自分もボディラインが割とくっきり出るピチピチのスーツになってしまった。

上は、淡い水色のハイネックのオフショル(割とピチピチ。長袖。ネックの部分には自動で温度調節してくれる機能付き)に、下には黒色のサイドにスリットが入ったスカートで、その下にショートパンツ。

両手首と両足首には空気が乾燥していても十分に水を操れるように、水分含量を多く含んだ腕輪が着いている。

靴はニーハイブーツだけど、ヒールはそこまで高くはない…。


「舞も攻めてんじゃん」

『そんなつもりはない』


とにかく、行こう。と更衣室を出てグラウンドへ向かえば皆集まっていた。


「さあ、始めようか有精卵共!!」
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