ONE PIECE
□第4話
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「じゃあエレナ、頼んだぞ」
「わかってるわよ、マルコ隊長。
それより、女のコの買い物なんだから、邪魔しないで下さいよ?」
「わかってるよい。さっさと行ってこい」
「はいはい。…さ、行きましょ!リリー!」
『は、はい!』
ナースの中でも1番古株だと言うエレナさんに手を引かれ私は街へと向かっていく。
…春島らしいこの島の気候は素晴らしい。ぽかぽかと温かい太陽に優しく吹く風に髪が靡く。
『(髪が…靡く……)』
「?どうしたの?リリー」
『いえ!』
「ふふっ、何緊張してるの!もっと気楽に行きましょ?」
艶のある肩までの黒髪は靡き、綺麗な赤色の唇、色気の中の優しい眼差しは、どうも女の私までもドキドキしてしまう。
…魅力的だな、エレナさん。
「さて!とりあえず服買わなきゃね!何か好みとかある?」
『えと……出来れば動きやすい「女の子なんだからスカート履きなさい!」……』
どうやら、本日の買い物はどうも自由にはいかなさそうだ。
――――――
「ふぅ…沢山買ったね!リリーってば何でも似合っちゃうから選ぶの大変だったよ」
『いやっ、そんな!エレナさんの方が何十倍もスタイルいいし魅力的ですし…』
「そりゃ、スタイルは違うわよ。私は非戦闘員で、貴女は戦闘員。闘うために筋力も体力もつけようと思ったらそれなりの身体になるもの。
逆にそれだけの力があるのにそのスタイルは凄いわよ!羨ましいわ」
脹脛とか、腕とかね。とじっと見つめるエレナさんに見ないでください!と言えばクスクスと笑っていた。
『…エレナさん、お綺麗ですもん』
「あら、何急に?」
『私も…普通の女の子になりたかった……』
「…………」
ぼそりと呟いた言葉が聞こえていたかはわからない。
だけど、俯いてた私の頭を優しく撫でてくれるエレナさんの温もりは確かに優しいものだった。
「リリーは…………」
「ねーちゃん達!2人で何してんだ??」
「『!!』」
へへ、と笑う巨漢3人はベンチに座る私達を囲んだ。
暇ならちょっと遊ばねえか?と誘ってくる男達に、エレナさんが睨みつけると荷物を持って行くよ、と私の手を取った。
だが、そう簡単に行かせてもらえる訳もなく。パシッと私の腕を取られる。
『………』
「そう冷たくしないでくれよォ…つれねぇなァ」
「少し付き合ってくれりゃいーんだって!」
どうやら離す気は毛頭ないらしい。
…さて、どうしたものか。こんな街中だとあんまり暴れられないしな…。
「…リリー」
『エレナさん、コイツらは私が"片付けます"』
「ぷっ…何言ってんだこの女!」
「俺達とやるってか?ちっちぇ姉ちゃんよォ…」
エレナさん、早く逃げて。と小声で伝えると、マルコ隊長呼んでくるから、と駆け出した。
「おーおー、逃げちゃった〜」
「本気かよ姉ちゃん?」
『…後悔しても知らないですよ』
「そりゃ…どうだろうな!」
バッ!と飛びかかってきた男を避け、足を掛けるとズサーっと転ける。
「こんっの野郎…!」
「女だからって手加減しねぇぞ!!」
殴りかかってきた男の拳をパシッ…と受け止め、後ろからやってきた男には鳩尾に一蹴り入れる。
「カハッ…!」
「テッメェ…!」
『仕掛けて来たのはそっちじゃないですか?あまりナメられても困ります。それに………
"ただの女"じゃないので』