ONE PIECE

□第3話
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「そう言えばリリーは戦闘要員で入ったんだよな?」

「はい、そうです」


お昼時、食堂でご飯を食べているとある船員にそう尋ねられた。


「何で闘うの?銃とか剣…じゃねえだろ??」

「もしかして…体術?」

『そうですね…一応、体術ですかね』

「へえ…1度くらいは見てみてえな!」

『物騒ですよ。闘いはあまり望まないんですから』


そうかー?という会話をしているとマルコさんに呼ばれた。


『どうかしましたか?』

「あァ、次の島でオメェの身の回りのもんを揃えなきゃならねえよい」


あ、本当だ。とりあえずはナースさん達の服を借りて過ごしてたんだった。

…そういえば荷物という荷物も特に持たず出て行ったな。


『(まぁあの場所には………)』

「俺じゃ買い物しづれぇだろうから、ナースにでも声を掛けとくよい」

『ありがとうございます!』

「金はまた渡す。…あ、それと今日はとりあえずのんびりしてていいぞ」

『え?』


雑用しますよ?と言えばここのとこずっと働きっぱなしだろい。休め。

と、頭を小突かれた。


「暇だったらその辺にいる隊長連中に絡んでみろよい」

『???』

「家族同士、もっとコミュニケーションも取れってことだよい」


そう言うとふっ、と笑ったマルコさん。


『わ、かりました…』

「…?どうかしたかよい?」

『あ、いや!その…よく考えてみれば…あまり他の隊長達とは絡んだことないな…って…』


徐々に小さくなる声に俯く顔。

…人見知りという訳でもないと思うのだが、船に乗ってからはバタバタとする時間が多く、限られた人としかコミュニケーションは取っていなかった。

今更どう声を掛けたら良いのか。なんて話そうか。そう思うと少し不安である。


「大丈夫だよい。心配しなくてもアイツらリリーの事気に掛けてたからな」


だから、1回自分から行ってみろい。と頭をぽんぽんと撫でられた。

そして、マルコさんは別の用があるのか、食堂から出ていった。


『………』


…撫でられたところが、熱い。


『(変なの………)』

「朝から熱いな、お前ら」

『ヒィッ!…さ、ささサッチさん…!!』

「んな驚くかよ…俺がびっくりするわ!」

『す、すみません!』


ペコペコと謝れば、笑いながら驚かしたの俺なのにと言う。


「で?マルコに何て言われたんだ?」

『他の隊長さん達ともコミュニケーション取っとけ、と…』

「へえ…マルコが……」


サッチさんはニタリ、と怪しく笑うと他の隊長なら俺が呼んでやるよ、と何処かへ行ってしまった。


『…待ってればいいのかな』


少しすると、ジョズさんと、ラクヨウさん、ハルタさんがやってきた。


「リリー!」

『わわ、ハルタさん!』


ぴょんっと可愛い効果音がつきそうなジャンプで私に抱きつくハルタさん。

…そう言えばハルタさんには初対面の時から熱烈なハグをしてくれたな…。


「どうしたの?今日は仕事ないのかい?」

『はい!今日はゆっくりしろ、ってマルコさんが』

「え?マルコが?」

『?はい』


そう言うとジョズさんもラクヨウさんも珍しいことあるんだな、と笑っていた。


『…サッチさんも似たようなこと仰ってたんですけど、何かあるんですか?』

「いや、ココ最近また雑用が増えているからな」

「こりゃ誰かに回ってるな、仕事」

『え、』


それは何と申し訳ない…。と思いつつも、気にすることないよ!と言うハルタさんの甘い声にそうですかね。と納得する自分がいた。


「ほら、せっかくだしよ雑談でもしようぜ!」

「ずっと気になってたんだが、リリーは何故船に乗ったんだ?」

『ああ……前の島で海軍と一悶着起きてた時にマルコさん達が助けてくれて…』

「あ!あの時運ばれてた女はリリーだったのか…」


そう言えば髪色とか肌の色とかリリーっぽかったな…とラクヨウさんが言う。


『逆に、どうして私が乗ったと思ってたんですか?』

「俺はてっきりマルコのコレだと」


と、小指を出すサッチさんにうん。と頷くハルタさんとラクヨウさん。ジョズさんは苦笑いだった。


『ち、違います…!//マルコさんや…船の皆さんは……

私を助けて下さった、優しい海賊さんです』

「………」

「優しい海賊、か…」


慣れないね。と、へへっと笑うハルタさんに照れ笑いを浮かべる3人。


「俺達を変えてくれたオヤジには感謝だな」

『あ、皆さん、オヤジさんと会う前はどんな海賊だったんですか??』

「聞くかー?禄でもねぇぞ?」


それから暫く、4人で談笑を楽しんでいるとイゾウさんも加わり、最終的には船員の方達も加わって、大勢でのお喋り会となった。

…お昼も食べ、気がついた頃には夕方で、仕事があったのにも関わらず、話に夢中になっていた船員さん達に、マルコさんの雷のような怒号が落ちるとお開きとなった。


『すみません、私がペラペラ話してて…』

「リリーは悪くねぇよい。仕事をしなかったアイツらが悪い」

『……マルコさんって、本当に真面目な方ですね』

「…嫌いか?真面目な男は」

『いえ、好きですよ、誠実な方は…』


目を細めて思い出す、懐かしいヒト。


「……リリー」

『?はい――』


名前を呼ばれ、振り向けば何故か腕を引かれ抱き締められた。


『…ま、るこ…さん……?』

「……お前には…―――」

『え?すみません、もう1回…』


声が小さくて聞き取れなかった為、そう言えば何もねぇ。と私を離し、お休み。と部屋へ入っていったマルコさん。


『…最近…変だな………』
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