短編

□変わらない想い3
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鈴の魂葬が終わり、それから、二十年たった。


―二十年後―


吉良は、心配していた。元々、そんなに食べない市丸だが、ここ数日は、食事も一口二口しか食べず、飲み物も水等も少ししか口にしなかった
市丸の身体は見るにも堪えないくらい痩せていた


吉「市丸隊長、何かしっかり食べてください!このままじゃ、倒れてしまいます!!」


市「いらん、ボクちょっと出かけてくるわぁ」


吉「お気を付けて・・・はぁ〜市丸隊長がこんな事になるなんて」


そこに、1人の人物が吉良の許に訪れた


―丘の上の墓―


市「鈴ちゃん、久しぶりやね。ボク、鈴ちゃんが居ったのに、ボク何してたんやろうね。ボク、今まで人に愛されんかったから怖がってしまってたんやろうね…。鈴ちゃんの笑った顔大好きやった…ボクの心が浄化しはる気分やった。もし、鈴ちゃんが、またこの場所にきはることがあるんやったら、ボクかてもういっぺん、チャンスってゆーんの欲しい…今度こそ、ボクがきっと護る」


フードの女「本当ですか?」


市「なんや、鈴ちゃんの声が鮮明に聴こえるわぁ〜…ボクも死期が近いんかいな?」


松「なーに言ってんのよ?ここに居るじゃない」


市「…乱菊とイヅル?どないしてん?こんなところに来てん…」


市丸は、一度2人の方を一瞬見た後、また、鈴の墓の方を向いた


吉「隊長に会わせたい女性がいるんです…」


市丸は、『いらん、ボクは鈴ちゃんだけでえぇ』と言い、振り返らないのにフードを被った女は、痺れを切らし、『ギンちゃん!!』と叫んだ


市「!?………嘘やろ」


そのフードを被っている謎の正体は……
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