恐怖映画

□化粧に隠された素顔
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僕のお家に女の子が住んできた。なまえという可愛い名前の女の子。
オシャレ好きで柔らかい金色の髪をツインテールにしてその髪にラメとかハートとかを散りばめてる。
短いデニムパンツに片方に網タイツと一方にガーターベルト。ヘソ出しタンクトップから除く腹筋は趣味のダンスからかボクシングからかは分からないけどギャップが魅力的だ。

派手目のメイクをしているのに不思議となまえの顔にきついとは思わないし、肌はいつも綺麗なんだ。

本人曰く『安物のメイク道具は絶対使わない!』がモットーらしい。

初めてあった時襲いかかったら全然怖がらない上に細い体で巨体の僕を逆にねじ伏せた挙句帰ってくれと言っても「私を攫ったんだから責任とりなさいよ!」と強気で出た。

初めこそ心配はしてたけど、なまえは見た目とは違い頭がいいらしくいろんなことを知ってたし今の家計簿は全部なまえが管理してる。そして料理もすごく美味しかった!
そして何よりこんな田舎ですら身だしなみを怠らない。今だってクローゼットで鼻歌をしながらメイクしてるなまえを僕は憧れの目で見つめてるんだ。

だって僕も男の子だけどメイクとか可愛い服とか大好きなんだもん!でもそんなこと言ったら気持ち悪がられると嫌だから見つめてるだけでいいんだって。

そう思ってたら鏡越しになまえと目が合った。

『何よ?言いたいことがあるの?』

「あ"う"…」

気まずげになまえの手に持ったメイク道具を見つめると、なまえは、ああ…と何か分かったような顔をした。

『何だ、あんたもメイク好きなの?』
「っ」

ああああどうしようバレちゃった!観念してなまえの前に姿を出す。
今の僕の顔はなまえを参考にしてメイクを塗っていた。
嫌われちゃったかな、ぼぼぼ、僕のこと気持ち悪いって思うかなっ…そう思ってる僕をよそになまえはニカッと白い歯を見せて笑った。

『奇遇じゃん!あたしも好きだよ!こっち来てよ、貸してあげるわ。』

予想とは違う反応にびっくりした。え、嫌じゃないのかな。
おずおずとなまえの前に立つと「突っ立ってないで座りなさいよでかいんだから」と言われ慌てて座る。なまえって言葉遣いがちょっぴりきついなぁ…。

『先に化粧水付けるね。まぁ死んだ皮に効くか分かんないけど化粧ノリが良くなるように。』

あたしのお気に入りはSK-Uなの。となまえは高そうな化粧水をしっとりとした手になじませて僕のマスクに塗ってくれた。マスク越しになまえの手の柔らかさを感じるからわわわ、これすごドキドキする!

『そういやテキサスってこんなに暑いんだね。日焼け止めがすぐなくなっちゃう。化粧水乾いた?』
「あ"う"(う、うん)」
『じゃあ日焼け止めも塗るね。』

日焼け止めって変な匂いがしてあまり好きじゃないけど、なまえの日焼け止め全然匂いしないし、ベタベタしなくて(感覚ないけど)嫌じゃなかった。
『これはANESSAの日焼け止め。ババちゃん肌?痛みやすいから安いヤツなんて使っちゃダメだよ。
最近はBBクリームが流行ってるからこんど買ってみようかな。』

なまえはまたシャネルっていうブランドのファンデーションを塗ってくれたけど、液体だったからびっくりしたら『ババちゃんが使ってるのはパウダーのやつだけど、乾燥肌には合わないのよ。だから液状を使うの。』だって。僕の知らないことあれこれなまえは全部知っててすごいと思う。

『あのあんたのメイクはベタで基本からできてない。』

やっぱちょっと毒舌かな…。


その後はMACのチークとかサン・ローランのリップグロスとかどれも高そうなものを僕なんかの顔に使ってくれた。

ずっと憧れてた事が叶って嬉しいけど、なまえが近くで見つめたり、触れてくれたりするとびドキドキしてうまく息ができない。

『ほら、結構いいでしょ?』

と手鏡を渡されて見ると、いつもの絵の具をベタベタに塗ったような僕の幼稚なメイクとは違い。綺麗なアイラインがとてもセクシーでなまえは魔法使いかとおもっちゃった!

とてもとても嬉しくてなまえにぎゅーってすると『ちょっと!あまり顔は近づけないでよね、メイク落ちちゃうでしょ?』って言ってるけど、なまえの顔は満更でもなさそうだったから照れ隠しだって分かっちゃった。

『あんた肌がガッサガサだから、しばらくメイクは控えて。洗顔と化粧水しっかりやりなさいよね。これあげるから。』
「う"!?あああうあ〜(えっ!?でもこれはなまえのだからダメだよ!)」
『あたしテキサスから出て買い物する時はストックしてるから。』

だから使って。と言って無理やり持たせてくれた。こここ、これ、本当に使っていいのかな…貴重すぎて宝物にしたいなぁって言うと『バカねあんた使用期限過ぎたら意味無いでしょ!』って叱られちゃった。

でもなんでだろう。叱られてるのに以前みたいに怖いって思わないよ。それになまえがすごくすごくかかか、可愛く見えてきてどきってする。

『今度からは隠れてないで一緒にやろうね。』
「あう!(うん!)」

そういってなまえは三日月のアイラインの瞳を細めて笑うから…ぼぼぼ、ぼく…ぼく…!

【どきってしちゃった!】


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