恐怖映画
□不器用な症候群
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『ストックホルム症候群って知ってますか?』
「被監禁者が監禁者に情が移るってやつだろ?それがどうした」
『それに似た話だと美女と野獣が有名ですけれど、
あれは野獣が基本的に根が優しかったのが幸いであって、所詮自分の精神を保つ為の思い込みなんですよ。』
「子供の読むもんなんて大概大人にゃ理不尽な話だらけさ。」
『私、多分一生ヒロインの気持ちなんて理解できないなあ。だって私フレディさんとの関係を思い込みだなんて思ってないよ。』
「は、」
『フレディさんといる時、胸がズキズキ痛いんです。これが思い込みなわけないよね。ね、フレディさんも』
そうおもう?と聞こうとした声は赤と緑のしましまセーター埋まってしまった。
「どこでそんな殺し文句覚えたんだお嬢ちゃん。」
顔は見えないけど、声が震えてるからフレディさんがすごく焦っているのが分かる。いつもはセクハラまがいなことをする癖に変なとこでたじろいちゃうフレディさんってちょっとかわいい。
「なあなまえよ」
リマ症候群ってのもしってるか?
【それはさっきの私の質問の答えってことでいいんですよね?】