俺が魔王を倒すまで?!
□第1章
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ただ暗い世界
暗いだけの何もない世界…
痛みも感覚もないたった一つだけ遠くで
鈍い光が見えた、その光に近づく気力もないが何故か呼ばれている気がした。
俺は死んだんだろう。きっとあの光は死んだ人を運ぶ役割なのだろう。
魂の回収人とでもいうのだろうか所謂「死神」ってやつ?信じてなかったけどよく見る死神のイメージとはだいぶ違う。
イメージってあてにならないな。
目を閉じてるのか開いているのかもわからないが閉じてみよう気持ちだけでもそうしたらきっとすべてが終わる。
母さん、優希…幸せになれよ。
俺は幸せっだったよ本当に。
「……て。……起きて、お願い。起きて!!」
どのぐらいたったのか声が聞こえる。
悲痛と不安が混じった声色が聞こえる。俺はなぜか早く起きないとと思った。
「…?っな、に……ないてい、る?」
絞りだした声は弱弱しくて自分の声なのにそんな気がしなかった。
「!!!……起きた!」
うすぼんやりと見えた視界の中で目に涙をためた女の子が見えた。
「勇者様!やっとお会いできた。お体の具合はいかがですか??」