俺が魔王を倒すまで?!
□冒険の序章
2ページ/4ページ
そうこうしているうちに最寄りに着きいつものように学校に向かって歩き出した。
駅から歩いて20分くらいの道のりだ。大通りから行くルートと裏道のルートがありどちらも差ほど時間は変わらない。だからその日の気分でルートを選んでいた。
今日は静かに歩いて行きたいと思い裏道のルートを歩くことにした。朝乗った電車を一本遅れればこんなに悠長には出来なかっただろう。
でもいつもよりは遅い電車なので少し早歩きをしつつ学校に向かった。裏道のルートはひっそりとした道が続き気持ちは落ち着いていた。
ーータスケテーーーーーーーー。
「……助けて?」
ふと誰かにそう言われた気がして辺りを見回すが声の主は見つからない。それどころか人の気配すら感じられなかった。
「…空耳か。って時間そろそろヤバイな」
気にはなったが携帯で時間を確認するとこのペースでは遅れそうな時間だった。足早にその場を後にした。
ギリギリ学校に到着し席についた途端に担任がドアを開けて顔を見せる。内心ホッとしながら朝礼を受けた。ボーッとしているとあっという間に昼休みの時間になった。
「なぁなぁ今日の朝、危なかったな?珍しーじゃん?優等生がさ」
「優等生じゃねーよ。お前がバカなだけだろ?颯太」
「あちゃー。俺は頭より身体を動かす方が好きなの!お前はなんでもそつなくこなしすぎなんだよ!ま、良いや飯食おーぜ」
「わりぃ、颯太。今日はパス。ちょっと考えたいことあんだよ、明日は一緒に食うからさ」
「えー、なんだよ付き合いワリーな。明日はゼッテーだかんな!しかもなんか奢れよな!」
後でブーブー文句を言ってるのを背中で聞きつつ了解の意味を込めて軽く手を降り教室を後にして屋上にでる。
一般の生徒は立ち入り禁止となっているがちょっとしたコツがあり鍵を開ける事が出来るのだ。
屋上の扉に背を預け朝の誰かに呼ばれた気がした時の事、学校に向かう途中で声が聞こえた事。授業を受けつつもどうしても気になっていた。
「なんだったんだろーな。あの声。」
俺には誰かに自慢できるような特技もなければあっても自慢したいなんて気持ちは1_もない。
ましてや不思議な声が聞こえるなんて誰かに言った所で誰も信用しないだろう。悪くて中二病だのなんだのと変な噂がたつだけだ。
「考えても何にもわかんねーな。でも何か引っ掛かるんだよな」
〜〜〜♪〜〜♪
「……。メールか。誰からだってアイツか」
メールの主は朝、盛大にテーブルの足に小指をぶつけて悶絶していた妹からだった。内容は
「お兄ちゃん、今日の帰りに付き合って欲しい所があるの!お願い一緒に帰ろ?」
実に妹らしいメールの内容だった。断ってもアイツは諦めない気がしたので俺は一言、了解とだけ返信をして携帯を閉じた。
時間が少し余っていたので空を眺めながらボーッとすることにした。俺は騒がしいよりは静かな方が気が楽なのだ。けして騒がしいのが苦手と言うわけじゃないがそう言う場では横でひっそりとしているタイプだと思う。
選べるなら静かな場所でのんびりしているだろう。何をする訳ではないが空を眺めたりしているのも好きな方で今の状況は有意義な時間だと思う。
結局、声の事は俺の空耳で夢の事はテレビかなんかで見たアニメでも思い出していたのではと思うようにした。少しして昼休みの終わりの時間になるので教室に戻り席についたのだ。