約束
□始まり
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偶々見掛けたチラシ
それが私とあの子達の物語の始まり
私は祖父っ子だった
両親は祖父を嫌っていた
なんで?と幼い私が聞くと笑って誤魔化すだけだった
私が祖父の元に通うのはあまり気分はよくなかったようだが、私の自由とさせてくれた両親には感謝をしている
祖父との時間はとても楽しかった
愉快で不思議で充実した時間だった
祖父は私に色々な事を教えてくれた
このままずっと楽しい時間が続けばいいのにと思っていたけど
人には寿命がある
祖父は消えてしまった
祖父は行方不明なのに両親は死んだって言った
祖父の財産が欲しかったのは幼い私でも分かったの
祖父は優しいから私に全てをくれた
両親は醜いから私を殺そうとした
あの子達は優しいから私を守ってくれた
両親も死んで私は一人
でも、独りじゃない
チラシを見て、思い出した
「シキ、来なさい。
これは私との約束だ。絶対とは言わないからゆびきりはしない。もし、出来たらでいいんだ。
あの子達を守ってくれ
−醜いモノ達から」
お願いみたいな約束
それを果す為に私は