結界師 長編
□同行
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彼女が夜行に来てから早いもので2ヶ月が経った。
「美砂、これからなんだけど俺と一緒に本部に行かないか?任務で世話になった上司に挨拶に行かないといけないんだ。散歩がてらに、どう?」
「一人で行けばいいだろう。」
「一人じゃ寂しいからさぁ」
「美希を連れていけばいいだろ」
「刃鳥はここで書類整理」
「では、京一を連れていけ。許可する。」
「あの…美砂さん?」
「残念、翡葉はこれから初任務」
「そーなんですか!?」
「あ、詳しくは刃鳥に聞いて」
「わかりました!」
「というわけで、行こうか」
彼女首根っこをつかむ正守。
抵抗しているのであろうその手足をバタバタさせる姿は間違った場所に行こうとして母親に強制連行されている子猫を連想させる。
「おい、離せ正守。私は了解していないぞ」
「了解は下の立場のやつは使っちゃだめなんだよ?」
「…黙れ。」
「おー、怖い怖い」
「私が本気を出せば、正守なんかちょちょいのちょ……ちょ、離せ。」
「離しませーん。じゃ、翡葉。あとよろしくねー(笑)」
「はい。」
「こいつを何とかしろ!」
正守と、叫びながら助けを求める彼女の姿を見送る翡葉なのであった。