□媚薬話
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「ジュード!」

それは、ドヴォールの町で買い物をしていた時の事だった。
甲高い声が聞こえ、そちらへ振り返ると綺麗な羽を生やしたミュゼが手を振っているのが目に入り、僕も買い物袋を片手に手を振り返す。
近付いてきたミュゼが小さな小瓶を目の前に差し出してきて何かと思う。

「これ、偶々、なんだけどね〜間違って二つ注文してしまったのよ〜」

困ったような顔をしている割に何故か楽しそうなミュゼに僕は何か企んでるんだろうなぁと思う。

「それで〜、一つ要らないからあげるわぁ〜」

手を持ち上げられギュッと握らされる。小瓶の中身は透き通った液体だった。

「これね〜即効性のぉ〜び・や・く♪」
「えぇ!?」

そっと耳打ちされた中身の正体を知って驚愕する僕を他所に楽しそうなミュゼは口角を上げ、飛び立つ。

「ルドガーと仲良くね〜♪」

それだけを言うとミュゼは何処かへ行ってしまった。ミラ〜♡なんて聞こえなかったことにしよう…。
僕は片手に渡された小瓶を白衣のポケットへと仕舞いどうしたものかと悩む。

ルドガーと僕は恋人同士だ。それは仲間みんなが知っていることであり、認めてもらっていることだ。
まだ付き合って一か月余り、手をつないでデートしたり、キスまではした。
でもその先はまだである。一回だけそういう感じになったことはあるが、恥ずかしかったのか、ルドガーは待ったをかけてきた。

でも…これがあれば…

いけない考えが思い浮かび僕は早速使ってみることにした。



僕とルドガーの部屋は皆の計らいで一緒になっている。
お風呂に入っている隙にウーロン茶を用意し、貰った小瓶をハンガーに掛けていた白衣のポケットから取り出し蓋を開け中身の半分をコップへ注いだ。
ぐるぐると混ぜ合わせ溶け込ませると、丁度ルドガーがお風呂から上がってきた。

「ふーさっぱりしたー」
「はい、ルドガー、お風呂上りにどうぞ」

媚薬入りコップを差し出すと、隣に腰掛けたルドガーがありがとうと言ってコップに入っているウーロン茶を一気に飲み下した。
ドキドキしながら眺めていると、少し変な顔をしたルドガーがコップをテーブルに置いて僕の方を見る。

「このウーロン茶、少し苦いんだな…」

苦笑いで話すルドガーに、内心謝る。味があるなんて思ってもいなかったため焦ったが、余り気にも留めていないのでホッとした。
一分程経った頃、ルドガーの息遣いが少し荒くなってきていた。

「ルドガー?どうしたの?大丈夫?」
「っふぇ!?」

顔が真っ赤になり荒い息遣い、潤んだ瞳はなんともそそられる。
けど、何も知らないふりをして介抱すると、触っただけで喘ぎが聞こえた。

「っジュ、ド…だめっおれ、」
「ルドガー、取り敢えずベッドに行こう」

立ち上がらせ、ベッドへと移動させようとすると、バランスを崩したルドガーが倒れかけ咄嗟に支えると掌が胸の突起を抑える形となったしまう。

「んぁあっ!」

しゃがみこんだルドガーの下半身に濡れた跡が見受けられた。

「ぁっあっおれっおれっ!」

ぶるぶる震えるルドガーの瞳からは涙が零れ、口からは涎が滴り落ちていた。

「ゅーどったすけ、てっ!」
「…ッ!」

上気した顔に我慢ができなくなり、僕はルドガーを抱えるとベッドへと下し、その上から覆いかぶさる。
邪魔な服を全て脱ぎ捨てると隆起したペニスが露わになる。一回イッている為か、先端からは白濁が溢れ出ていた。

「はっあっ…おれっやっあっ」

震えるペニスにそっと触れるとルドガーの身体がびくんと反り返る。

「大丈夫だよルドガー、僕が治してあげる」

滴り落ちる白濁を指に纏わせ双丘をなぞり秘部へと這わせ、纏った白濁を擦り付けぐにぐにと割って指を入れる。

「ひっあっぅうっ」
「ルドガーのお尻の中うねうねして僕の指に纏わりついて来るよ」

一本だった指を二本にしぐちゅぐちゅと掻き混ぜるように上下させると嬌声のような喘ぎ声が響き渡る。
そして指がある一点に触れたとき、より一層の喘ぎ声が轟いた。

「ひゃぁあああああっ!?」
「! ルドガーの一番感じる所、見つけた」

男が一番気持ちよくなれるところ、前立腺。
その一点を攻め始めると、ルドガーからは止め処なく喘ぎ声が漏れる。
口からは大量の涎が溢れ出ていてすごく可愛い。

「ルドガー、可愛い」
「あんっひぅっあっひぁあっ」

ちゅっと唇を合わせ割って入るとルドガーも応えるように舌を這わせてきた。
意外な行動だったので少し驚いたが嬉しくなって余計指を上下させる。

「ぁっあっまたっまたっイッちゃっう!」
「いいよ、イッて」

お尻がキュッと締まりペニスからは白濁が飛散し、止めどなく溢れ出た。

「きもちよかった?」
「あっあっ…じゅーどぉ…もっとっじゅーどッ」

カリッカリッと僕のズボンのベルトをひっかくルドガーに我慢できずに僕はすでに勃起した自身のペニスを取り出し、秘部へと宛がう。
ズブッと先端を入れゆっくりと奥へ押し入れる。

「んぁっ!」
「ッ…結構キツイね」

慣らした筈の秘部はキツくきゅうきゅう僕自身を締め付けてくる。
初めてだから仕方がないとは思うけどね。
完璧に入ったペニスをゆっくりと出し入れさせると、苦し気なルドガーの喘ぎ声が聞こえてきた。

「く…ぅんっ…」

ゆっくり出し入れしていたペニスを団々とスピードを速めていく。
気持ちよくなってきたのか、イッた後萎えていたルドガーのペニスも再び勃起し始め、先走りの蜜がぷくりと溢れ出る。

「あっひぁっあっじゅ、どぉっ…きもちっきもちぃっ…!」
「ッ…ルドガー!僕もッ僕もきもちいいよっ!」

何度も何度も最奥を攻め立て絶頂へと導く。

「おくっおくきもちぃっ…んぁあっ!イクッ!イッちゃう!!」
「…ッく…一緒にイこうッ」

ピストンを速め唇を合わせ舌を絡ませる。
ルドガーの上顎をなぞった瞬間、秘部が締め付けられ、ペニスから白濁が飛ぶ。
それと同時に僕自身も絶頂を迎え奥へと精液を吐き出した。



後日

「ん…」

ルドガーより先に起きた僕は寝顔を眺めていた。すると眩しさに目を覚ましたルドガーと目が合う。
おはよう、と言葉を交わすと、ルドガーは昨晩の事を思い出したのか顔を真っ赤にして勢いよく布団を被った。

「ルドガー?」
「俺っ昨日っ…///」
「大丈夫だよ、ルドガー。全然恥かしいことじゃないよ」
「だってあんなっ」
「誰だって我慢ができなくなることだってあるんだからね」

布団の上からそっと触れるとひょこっと顔が除く。

「本当か?」
「ウン!本当だよ!」

僕が媚薬を盛った事は死ぬまで内緒にしておこう。



だがしかしそう上手くはいかないものだった。
それは、ミュゼの一言で全てがバレてしまった。

「ルドガ〜昨日は楽しめたかしら〜?」
「?」
「あら〜?ジュードに媚薬を渡したのだけれど〜。使わなかったの〜?」
「びっ…!?///」
「ちょっ!ミュゼ!!」
「あら、秘密だったの〜?ごめんなさ〜い」

ミュゼは笑いながら何処かへ行ってしまう。
後に残された僕とルドガーの間には静寂が流れる。
チラリとルドガーを見ると、ぶるぶると肩が震えているのがわかる。

「ル、ルドガー?あの」
「ジュードぉおおお!」

双剣を構えるルドガーに僕は土下座をして必死に謝ったのだった。

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