恋愛フラグはよそでやれ!

□A
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目を開けるとそこは、見慣れた風景でした。


「───え。」


灰色の高層ビル。スーツを着たサラリーマン。オレと同じ制服を着た学生。道路を走る乗用車。
見慣れた道は、自分の通学路だった。


「───夢、だった、のか……?」


耳に届く声は聞き慣れた自分の声。体も線が細くなければ身に纏っているのも男物。
……はは、何だ、夢か。
しかし立ちながら寝るってオレ、相当疲れてんな───


───きゃあああ、と、悲鳴。

それは、死ぬ前に聞いたのと、同じ、


オレが振り返るのと身体に衝撃が加わったのは、同時だった。


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