不二リョ短編

□にくまん?
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『寒っ...』

部室のドアを開ければもう日が暮れた秋の風が僕達を取り囲んだ

『もう秋だもんね...考えると早いな 』

『先輩はさむくないわけ?』

『寒いけど君よりは暖かいよ』


彼の手を握ったらあったかいって帰ってきた

“あったかい”

その彼の言葉で僕はあるものを思いついた

『ねぇ、少しコンビニよろっか。』

『先輩がコンビニなんて珍しいじゃん』

相変わらずな生意気だが、了承してくれた

『先輩。俺四季の中で秋が嫌いかも』

いきなりの彼の一言に少し驚いた

『だってさ、秋だけ長期の休みないじゃん?なんか仲間はずれみたいだと思わない?』


『ぷっ...ふふほんとリョーマはおもしろいや』

『何?そんな変な事言った?』

『ん?言ってないよでも可愛いなぁって』

あっそ...
そういって前をさっさと歩いてしまう
大人びた小学生のようだ。

駆け足で僕は彼の元へと近付く

『拗ねないで?』

『べつに拗ねてないっす』

『そっか。ほらコンビニ見えてきたよ?』

少しリョーマの顔が明るくなった

『何が食べたい?』

『あったかいもの...』

『じゃあこれとこれかな』

僕は缶コーヒーとコーンスープ。
そして肉まん2つ買って隣にいたリョーマにコーンスープと肉まん1つを渡し近くの公園へついた


『アリガト先輩。』

『どういたしまして。さ、食べよ?』

ぱくぱくと食べてる彼を見ているととても穏やかな気持ちになった

『ごちそうさまでした。』

あっという間にコーンスープも飲んどいた彼。
僕も既に飲み終えていたかカレに口づけをした。

『ぁっ...先輩...いきなりだし...あとコーヒーの味』

『キスしたかったんだもん。リョーマはコーンスープの味したよ?』


顔を赤らめながら彼は僕の口に唇をくっつけた

『お返しだから。』

『こんな嬉しいお返しがこの世にあるんだね』

『ほんとやだ。』

『でも僕のこと大好きなんでしょ』


そう問えばうなずく。
こんな幸せな日々があるなんて嬉しいよ

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