不二リョ短編

□雨
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午前はからっと夏の日差しを浴び
外にいるだけで汗が出る暑さで体育などではもうベタベタになるくらいだった
セミも鳴いてただの猛暑日だった。

昼を過ぎ5限目の途中いきなりの豪雨が襲った。
今日は5限で最後で終われば部活だったが急な雨でとりあえずミーティングということになった

いつものようにリョーマを迎えに行きミーティングルームまで歩いていた。
ごろごろっと少し大きめの雷がなった。
リョーマは驚き僕の服をぎゅっと握った。


『リョーマは雷怖い?』

こくんこくんと頷いた
だから少し近づいて歩いた
ミーティングルームについても誰もいなかった。
するとリョーマが口を開いた


『俺さ雨嫌いなんだよね。』

大体の理由の予想はつく。

『テニス出来ないから?』

『それもそうなんだけどね』

『他にもあるの??』

『雷鳴るし...ぽかぽかじゃなくて昼寝ができないんっすよね...』

納得かもな...いつもお昼に屋上で寝ていたもんなぁ...

『リョーマ眠そう...だね』

『昼寝できてなかったんで...』

僕は自分の膝軽く叩き

『いいよ。枕になるから』

『え...いいんすか?』

『うん。ミーティングになったら起こして上げるから』

『ありがと...先輩』

すぐに規則正しい寝息をたて気持ちよさそうに寝ていた。
そうとう眠かったんだね...ふふ
それにしても綺麗な顔立ちだなぁ
色もいい感じで綺麗な黒髪..
小悪魔のような子だねこの子は...

『ふーじーっ!』

そういいドアを思いっきり開け入ってきたのは英二と大石。
大声を上げた英二に対して人差し指を口の前に当てると
焦ったように口を塞いだ。

『にしてもおちびの寝顔はかわいいにゃー』

『ふふ。かわいいよね』

『二人ともそんな近づいたら起きるんじゃないか? 』

それでも規則正しい寝息をはいている

そして時間も時間となりレギュラー陣も集まりミーティングを始めた。
リョーマは起きたばっかりで
僕の手を握ったまま。

そのままミーティングはすぎた。

『周助先輩ってすごい落ち着くんだよね』

いきなり帰りの廊下で言われた。

『雷も怖くないし。先輩の横はものすっごくぽかぽかしてて気持ちいい...』


『ふふ。嬉しいな。リョーマが珍しく素直だしね。』

『珍しくってなんすか?』


『珍しいんだよ君が素直に物事いうの。あ、雨上がったよ?』

目を大きく開き

『あったかいや』

そう聞こえないくらいの声でリョーマは呟いていた。

雨の日はリョーマ素直になるんだね

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