漆黒の悪夢

□純黒の悪夢 -四-
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『ノックはスタウト、アクアビット、リースリング。あなたが気にしていたバーボンとキール、リキュール』

キュラソーが途中まで打ったメールが阿笠博士の手によって復元に成功した。このメールの内容を見てコナンは3人に危険が潜んでいることを知らせようとしたが3人とも連絡が取れなかった為FBIのジョディ達に知らせる為連絡をしスケートボードを乗りこなしていると自分の目の前に止まった車が。コナンはそれに乗り込むと携帯を見せた。

夕暮れ時、シャッターが下ろされた人が全くいない港の倉庫の前に車が二台止まっていた。
そして倉庫の中には鉄骨の柱に後ろ手で手錠をかけられた安室と水無がいた。
二人の周りに置かれた三脚式の投光器の電気が2人を照らしていた。
するとバーボンと組織の中で呼ばれている捜査員の安室が言った。
バ「我々にノックの疑いがかかっているようですね。」
電気前で煙草を吸っているジンに彼が話しかけるとジンは腰を下ろしたまま口を開いた。
ジ「キュラソーが伝えてきたノックリストにお前達の名前があったそうだ」
バ「キュラソー……ラムの腹心か。」
安室が呟いた言葉に隣で同じように柱に捕らえられている同じく組織でキールと呼ばれている水無が頷ずいた。
キ「ええ、情報収集のスペシャリストよ」
べ「知っているようね。」
2人の近くで腕を組んで立って監視していたベルモットが言う。それに続いて水無が言った。
キ「外見の特徴は左右で目の色が違う、オッドアイ組織じゃ有名な話よ。」
そう言うとベルモットの反対側に立っていたウォッカが言った。
ウ「昔のよしみだ。素直に吐けば苦しまずに殺してやるよ。」
そう言うと安室は考えていたことを言った。
バ「僕達を殺さず拉致したのは、そのキュラソーとやらの情報が完璧じゃなかったから……違いますか?」
ジ「さすがだな、バーボン」
と言った彼にジンは感心するように言うと水無が言った。
キ「ノックリストを盗んだまではよかったけど警察に見つかり逃げる途中で事故を起こしたのよ……」
それに続いてバーボンも言った。
バ「あげく記憶喪失ときたもんだ」
キ「じゃあキュラソーを奪還してノックリストを手に入れるべきじゃないの?ジン!我々が本当にノックか、それを確認してからでも遅くはないはずよ!」
そんなことを言いながら持っていたヘアピンで手錠を外そうとすると、立ち上がったジンが銃を彼らに合わせて言った。
ジ「確かにな。だが、疑わしきは罰する。それが俺のやり方だ」
足元に落ちた自分が今まで吸っていた煙草を踏みつけ言った。
ジ「さぁ、裏切り者の裁きの時間だ。」
すると次の瞬間、銃声の音が鳴り響いた。
キ「っ……!?」
バ「キール!!」
肩を撃たれた水無は膝から咄嗟にしゃがんだ。それと同時に持っていたピンが落ちた。
肩から血が零れるとジンが言った。
ジ「ほら、どうしたキール。続けろよ、手錠を外したいんだろ?」
キ「まだ容疑者の段階で仲間を…」
ジ「仲間かどうかを断ずるのはお前らではない。最後に1分だけ猶予をやる。先に相手を売った方にだけ拝ませてやろう。ネズミのくたばる様をな……」
そこまで言うと彼の相棒であるウォッカに向かっていった。

ジ「ウォッカ!カウントしろ。」
ウ「了解…59、58…」
とウォッカが腕時計を見ながら1分間のカウントダウンを始めた。
それを見た2人は冷静に言った。
キ「そんな脅しにのるもんですか」
バ「もし彼女をノックと言ったら自分をノックと認めたことになる。そんなヤツをあんたが見逃すはずがない」
だが、ジンは言った。
ジ「そいつはどうかな。俺は意外と優しいんだぜ」
ウ「…30秒経過」
とウォッカが言った。
今も銃口が向いているのはキール。
ジ「仲良く互いをかばい合ってるというわけか」
と言うとまた、2人は言った。
バ「かばうも何も僕は彼女がノックかどうかなんて知りませんよ」
キ「私だって!でもこれだけは言える。私はノックじゃない!」
バ「それはこっちのセリフだ!」
と、言い始めたがジンは面白そうに言った。
 

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