漆黒の悪夢

□純黒の悪夢 -参-
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赤井の運転で東都水族館に着き彼女はメガネをつけると彼に向き直った。
「私はともかく、秀一は変装しなくていいの?」
赤「俺は大丈夫だ。いざとなったらサングラスがあるしな。それに、お前だって大して変装をしていないだろう?」
「私はいいの。これ付けてれば外見は私じゃないんだから。」
そう、特殊なメガネをかけている明音。このメガネは特定の人にしか本来の姿を見せ、それ以外の人物には偽りの姿を見せている。
「秀一の前では私の姿。それ以外は存在すらいない灰原明音。」
赤「その他の特定の人は?」
「江戸川くんと哀ちゃん、少年探偵団達、阿笠博士、ジョディ達と公安と警察…かな?」
赤「公安はだめだ」
「…なんで」
赤「…お前には関係ない」
「…失礼しちゃう。」
そう呟くと外に出て扉を思いっきり閉めた。….がでた瞬間後ろにいた人物がわからずに捕まると首に何かを当てられた。
「ッ!!….秀…一」
とちょうど車から出てきた赤井に気づいた彼女は名前を呼ぶとそれに気づいた赤井が反対側に向かってきた時にはもう彼女の姿がなかった。
赤「クソッ……」
顔を強ばらせると車に乗りこみ急いでエンジンをかけた。

日本から離れ、遥か遠くのとある国で一人の女が何かから逃げているように路地に駆け込んできた。
だが、サイレンサー付きの拳銃が女の足元に弾を撃ち込み女の足をとめた。
ウ「おいおい、どこまで行くつもりだ?猶予は1分だと伝えたはずだぜ」
と、がたいのいい男、ウォッカが楽しそうに言う
リ「言ったはずよ!私はノックじゃないと!!」
と反論するように答えるが彼女の背後から聞こえた声に彼女は強ばらせた。
ジ「ならば、白黒つけようじゃないか……なぁ、リースリング。」
ジンが自分達の横を流れるシュプレー川を見て言った。
ジ「向こう側とこちら側、立場をハッキリさせようか。…おまえの他に我々の中に紛れ込んでいるネズミの名前を吐け!」
銃口をリースリングに向けながら長い前髪から覗き光らせてくる眼光。
前ではウォッカも楽しそうに言った。
ウ「さっさと吐いちまえよ。苦しみたくねーだろ?」
リ「何度も言わせないで!私はノックじゃない。脅しても無駄よ、ジン!!」
そんな言葉を聞いたジンは言った。
ジ「脅し……?俺がそんなかわいい事をすると思うか?」
リ「!!」
その冷酷な眼差しと冷ややかな口振りをみたリースリングは初めて、自分は殺されるという恐怖を持った。
そんなことを考えているとウォッカがカウントを始めた。
ウ「5秒前」
それと同時に彼女は素早く左に回りシュプレー川に向かって急いで走った。
ウ「4…3…2…」
ジンは銃をそのままに冷静にカウントをしながら「0!」と同時に銃口の向きを変えた。
ジンが撃った弾は川に飛び込もうとしたリースリングの頭部に命中し水の上で息絶えた
それを見届けたジンとウォッカ。
ジ「行くぞ、急げ」
しばらくしてジンはウォッカにそう告げると不思議そうにウォッカが聞いた。
ウ「どちらへ?」
それに答えるジンはとても楽しそうな顔をしていた。
ジ「日本だ……」
ウ「!!、まさか!?」
ジンはフッと口角をあげて呟く「残るは3人…………」
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