漆黒の悪夢

□純黒の悪夢 -弐-
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翌朝。彼女は自分の家に戻るといろいろな身支度を整えた。すると途中で電話がかかってきたので電話機を肩と顔で挟んだ。
「はい。」
コ『もしもし、明音か?』
「コナン…いや、新一くん?」
コ『あぁ。急なんだけどよ、俺達これからある場所に行くんだけど来るか?阿笠博士の奢りって言ってたし…まぁ、博士の車には沢山乗れねぇから車で来てもらうことになると思うけど…』
「あー、そのお誘い、お断りします…私も潜入捜査をしなきゃいけなくなってしまったから…それがなかったら行けたんだけど…」
コ『そっか。わかった、灰原も楽しみにしてたから言っとくな。…じゃあ、』
「あ、待って!」
コ『ん?』
「何時までいる予定?」
コ『んー、明日も休みだから…夜でいるとは思うけどな』
「そっか…もしかしたら、仕事がうまく行けば午後には終わるから合流できるかも…」
コ『わかった、じゃあ、午後から来るって灰原にも言っとくな。』
「よろしくね。…うん、うん…じゃあ、ね」
そう言うと電話を切った。
「さぁ…あの子達に合うためにも行動を再開しますか」
そう呟くと今ちょうどテレビでやっている東都水族館の特集を見た。

一方、同じ時間。落下事故が起きた倉庫に1人の女性が。黒の組織で一目置かれていて千の顔を持つ魔女と呼ばれている、その名はベルモット。倉庫に落ちているスーツを拾うとガラスの破片が見えたのでその後を追っていくと目の前には東都水族館と大観覧車の姿が。それを見るベルモットの顔つきは険しかった。

先に彼女の上司がいる所へ向かった明音。車を降りると建物の中に入った。
すると、見慣れた後ろ姿を発見したので駆け寄って肩を叩いた。
「キャメル!」
キ「明音さん!帰ってらしたんですね」
「そうなの!昨日帰ってきて…そのままキュラソーに」
キ「なるほど…」
そんなことを話していると書類を持って歩いてきた人物に気づくと近づいた。
「ジェイムズ、ジョディ」
ブ「明音くん。いつ帰ってきたんだね!?」
「昨日の夜に。…もちろん、キュラソーの件は昨日見たので」
ジ「…赤井くんには会ったの?」
「…昨日、チラッと。」
ジ「あの人、あなたの姿を見てから今日、朝1にここに来たのよ。上の会議室にいるから会いに行ってきたら?」
「そうしたいんですが…今日、東都水族館がオープンしたんですけどそこにもしかしたらキュラソーがいるかもしれない。なので今から潜入捜査をしてこようと。ちょうど江戸川くんも友人と行くようなので…」
そこまで言うと後ろが暖かくなった。
ジ「それをやらせてくれないかも知れないわよ。」
「?」
不思議そうに後ろを振り返ると彼女は驚いて目を開いた。
「秀一…あなた会議室にいるんじゃ…」
赤「どれだけ待たせる気だ。」
「ちょ…あ、ジョディ!」
ジ「構ってあげなさい。あなたも寂しかったんじゃないの?それに、仕事しすぎよ。」
そう言うとジョディやジェイムズ、キャメルは上に向かうためにエレベーターへ向かっていった。
しばらくお互い見つめ合うと彼女が顔を背けて言った。
「…ここの、屋上…行かない?」
赤「…お前…顔…」
「言わないで…もう…ほんとに…」
と見つめあっていたせいで見事に赤井の顔に撃たれ顔が赤くなってしまった明音。それを見た赤井はフッと笑って片手を出すと彼女も嬉しそうに握るとそのままエレベーターに乗り込み屋上へ向かった。

屋上に着くと運良く人がいなく堂々と抱きしめ合うと流れでキスをし続けた。
お互い苦しくなると顔を離し笑いあった。
「…寂しかった?私がいない間」
赤「当たり前だろ。4週間いなかったんだ。いつもは狭く感じてたベットだって広く感じた。」
「そっか….」
赤「明音は?」
「とっても、寂しかったわ。電話をしようと思ったんだけれど迷惑かなって思ってできなかった…」
赤「迷惑なんかじゃない。…今度はかけてこいよ、いつでもいいから」
「わかってるわ。そうするつもり」
赤「だが…本当に昨日は驚いたぞ。」
「あぁ、キュラソーの件ね。あれも、私は行く気がなかったの。でも、キャメルに言って盗聴器をつけさせて聞いてたらだんだん面白くなってきて…そしてそのまま追いかけてたってわけ。そしたら秀一と安室が居たから会おうと思ったんだけど2人は仲があまり宜しくないから遠慮しといたの。」
赤「ホォ……じゃあ、昨日のあいつに何を言っていたんだ?」
「大したことじゃないわ。上から見てたことをそのまま言ったのよ。」
赤「上といえば…明音、お前パラグライダー…」
「あぁ、4週間の間に怪盗キッドさんと仲良くなってね?パラグライダー教わったのよ。」
赤「そうなのか?」
「そうよ?……あれ?言ってなかったっけ?」
赤「知らないな。」
「そう?…じゃあ、そういう事で。……ねぇ、私これから…」
赤「東都水族館だろ?」
「あら、話が早いのね」
赤「一緒に行ってもいいか?お前ひとりで行かせたらどんな危険なことをするかわからない。それに、組織にもベルモット(あいつ)には顔が割れてるんだ。お守りもしなきゃだろ」
「……本当は一緒にいたいだけなんじゃないの?」
赤「……お前…」
「ジョークよジョーク。…ありがとうね、秀一。助かるわ…」
赤「……別に、明音の為だ。」
そう言うとまたお互い手をつないで屋上から出ていくと地下の駐車車に行くと彼女の車に二人が乗り発進させるとそのまま東都水族館へと向かっていった。
 

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