10/31の日記

15:54
激怒 / シリアス / 不明
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【激怒】

私は激怒する事が減った。
12歳から15歳にかけて私は酷く怒りやすい性格をしていて、酷い時には台詞として書きにくい奇声を発しながら物を投げ、それがきっかけで13歳の時には父親から「キチガイだ、病院連れて行こう。」と言われた。
13歳の冬だったか、学校の教師に勧められて病院に行った、それは『心療内科』つまり『精神科』だ。
そして私はいつしか薬を飲むようになっていたが、それでも私の奇行は完全には収まらなかった。
私の奇行とも言える激怒が減ったのは、高校1年生の頃だったはずだ。
私はインターネットが好きで自身のホームページを持っているのだが、中学2年の頃からそのホームページが『晒し』の被害に遭うようになっていた。
晒しをする者たちはいつも私を「似非メンヘラ」と記す。
最初の内は私はそんなことは無いつもりだったが、中学3年から高校1年にかけて晒しが慢性化、正直反論する気さえ失せた。
そして私は決意した、高校2年の4月までホームぺージを休止し、似非メンヘラを脱却しようと。
私はまず私の何処が似非メンヘラなのか考え、私が似非メンヘラである理由は『理不尽な自殺願望』と『義務教育後の不登校』と『心療内科への依存』と『自己愛』と『愚痴』と……それら様々な物が絡まり合っているのだという答えにたどり着いた。
そして決意した、全て内側に閉じ込めよう、絶対に外に出すな、私が死ぬ必要はない、強くなれ、死にたいのは楽になりたいからであって死が好きなのではない、だから私は治れる、そうだもう似非メンヘラではない勿論本物ですらない。
何かが起こり自殺願望が湧きそうな時は、自分以外の原因を探して責任を転嫁し、自分が嘆く必要はないと言い聞かせ、相手を殺すことを考え、時には狂気について馬鹿みたいに真面目に考査して、それから、
……そんな日々を続けて居るうちに登校できるようになって、死にたいと漏らすことも激減し、心療内科を面倒な習慣と感じるまでに回復した。
今では他人を切り捨てることすらできる、いや正確には私から切り捨てている訳ではないのだが、諦めがつくようになったのだ。
高校2年生になって若干話せる相手ができたが、所詮卒業してしまえば終わる関係。
恋愛はおろか友達関係すら意味のないものに感じ、今でも多少は構ってちゃんの私は、話しかけてもらえたら話すというスタイルを保つようになった。
そんな日々の中で私は不思議な体験をする。
ある日私は疲労のあまり学校に異様な嫌悪感を持ち、午後の授業を一部受けずに帰宅した。
酷い苛立ちが抑えられないまま帰宅すると、玄関のドアは面倒なカギが掛っていた。
普段はもう少し簡単なカギだけがかかる玄関が、今日に限って私を拒んだ。
苛立ちが収まらない私はドアを蹴り、殴り、それに気付いた母を怒鳴りつけた。
……しかしどうしたことだろう、数分後、風呂場に居る時に急に苛立ちが途切れた、いや、途切れさせられたと言うのか……急に聞こえたのだ、脳に、
「コイツは一体何をそんなに怒っているんだ。」
いきなり第三者が介入して来た、とても呆れかえった様子で。
しかしそこに本当に第三者が、私や母や学校関係者以外がいた訳ではない。
急に私の思考の視点が変わったのだ、怒り狂う私を呆れて冷めた視線で見つめる『誰か』に。
その時以外も私はこの『誰か』に幾度か助けられた。
この『誰か』はそれまで私にできなかった事を、私の怒りを一瞬で沈下させることを、簡単にやってのけた。

……さて、何故私はこんな事を話しているのかと言うと、最近の私は苛立ちが収まらない傾向にあるからだ。
相変わらず女も男も気色悪い顔で私を見ては、ありもしない事を言いだしたり、異常者扱いしたり、あああ、後何日何年続ける気なんだ。
それでも私は今までそれらに危害を加える、そう、殺傷に至ってはいない。
私なりに考えを変え、それらは人ではない、むしろ家畜の糞尿にすら及ばない、動物としても社会的な人間としても何の価値も持たないものだと考え、信じ、私は違うと自分の株を上げて耐えた。
しかしさすがにそれだけでは限界がある、なんせこれは苛立ちの浄化ではなく、一時的な誤魔化しに過ぎない、あぁ苦しい。
今でも心療内科に通う身なのだから、医者にぶつけてみようかとも思ったが、親のいる前でそれをやるのは気が引けるし、そんなことをしては今までの努力が全てパァになる、せっかく通院周期が長くなってきたのに……。
どうしよう、誰かに聴いてもらいたい、こういう気色悪い奴らがいて、私に不快感を与え、私はそいつ等を殺したいと思っている、その思いを誰か、誰か人間に、でもそんな事をしては今までの努力が全てパァになる、せっかく似非メンヘラを脱却できたのに、そんなことをしては。
あぁでも此処まで来ている状態で、もし激怒の引き金が引けてしまったら……家族間なら物を投げる程度で済むもめごとしか起こらないだろうが、もし学校だったら、街中だったら、私は、

それを考えていて思い出したのだ、あの『誰か』の存在を。
あの『誰か』が一体誰なのか、それは今でも分からない、だが『誰か』は有能だ、私の怒りを沈下させる、むしろ浄化すらできるのだ。
しかし最近その誰かがいる感じがしない、自分で抑え込んでいるだけだ。
『誰か』は何処へ行った、私の頭はハードディスクではないのだから削除されたなんてことは無いはずなのだが、では何処へ?

早くしてくれ早くして早く早く早く早く、そろそろ限界なんだ殺したいぃああああ……まだ駄目なのに駄目なのだから早く帰ってきてこの全てを一言で浄化してくれ、そう浄化するんだ、また何年も頑張れるように、お前が誰かなど問わないからさぁさぁ早くあの言葉を!!
「コイツは一体何をしているんだ。」

私は振り出しに戻った。

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