10/29の日記

15:52
虚無感 / シリアス / 礼矢
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【虚無感】

礼矢はこれまでの怨みを込めて包丁を振った、厚化粧の同年代を、顔だけの同年代を、性欲だらけの同年代を、一人と言わず十人、二十人、もっともっともっともっと……
堤防は決壊した、どうせ捕まるなら一人でも多く殺して、一人でも多く『嫌いだ』と証明しなくては。
せっかくだからお気楽な教師の腹も刺した。
罪悪感はもはや無い、唯一つ残るものが有るとすれば、それは、今までの生活は何だったのだろう、という思いだけ。
実名公表ももはや怖くは無かった、けれどそれでも一つだけ、
「今までの私の生活は、何だったんだろうね……。」
駆けつけた警察官に、礼矢は大人しく両手を差し出し、
「取り調べ時間は、多めに取ってください。」
警察官は礼矢の思いをまだ読めずにいた。

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