【Killer in the School】シリーズ

□謎会話ログ≪2≫
2ページ/36ページ

【独占欲の強い主犯が異様に濃厚な愛情を込めて丁寧に飼い馴らす従犯には部外者が安易な手出しをしてはいけない、という事を達観者は知っているから】(※【KitS 3】後日談 番外編4)

※後日談8より暫く後の話※
※実質的なIF(もしも)ネタ※


≪場所:女子トイレ≫
真波「はー……ホント、どーしよー……。」
論名「真波ちゃん、どうしたの?」
真波「えっ!? だっ、あ……論名かぁ、脅かさないでよ!」
論名「私は普通に声を掛けただけだよ。」
真波「いやいや! 普通じゃないって! めっちゃ気配無かったから!」
論名「フフ、そうかな? それより、重そうな溜息なんて吐いてどうしたの?」
真波「!! ……べ、別に論名に関係無くない!?」
論名「当ててあげよっか? そうだねー……」
真波「だからアンタには関係――」
論名「真波ちゃんが私には関係無いと言い張りたい様な悩み事なんて……未彩の事しかないよね?」
真波「ッ……何? 未彩から何か愚痴でも聞かされた?」
論名「違うよ? 私自身の感覚で何となく察しているだけ。だから、未彩が真波ちゃんに関する愚痴や相談を自ら進んで私に持ち掛けてきたなんて事は無いよ。それとも、私が未彩に愚痴を聞かされている方が……ううん、未彩が私に真波ちゃんへの嫌悪感を零している方が好都合だったかな?」
真波「あ、あたしはそんな事……」
論名「フフッ……そんな事、確かに今はどうでも良いよね。」
真波「(……論名って、なんでこんな話で笑顔になれんの……? っていうか最初からずっと笑顔だし、正直キモいっていうか……不気味、なんだけど……。)」
論名「それより、真波ちゃんは未彩の何に関してどう悩んでいるのかな? その話、誰かに相談するなら私にするのが一番無難だと思うよ?」
真波「……察してるってんならさ、なんとなく知ってんでしょ?あたしが……未彩と絶交した事。」
論名「うん、そうだろうと感じてたよ。それで、そこをどう悩んでるのかな?」
真波「う……それは……」
論名「……未彩の事を酷い分からず屋で鬱陶しい奴だと感じたから自分から絶交を切り出したものの、暫く時間が経ったら自分がした絶交も少し酷かった様な気がしてきて、だから一先ず未彩に謝るべきか否かを悩んでいる。」
真波「えっ」
論名「そして、もし謝った場合は未彩の反応によっては仲直りをしても良いのかもしれないと思っているけど、いくら先に酷い奴になったのは未彩でも絶交を切り出したのは自分の方だからタイミングが掴めないし、そもそも謝る事や仲直りする事が正しい選択なのかどうか分からない……って、ところだよね?」
真波「……論名、もしかして見てた? あたしが未彩と絶交するとこ……」
論名「見てないよ? でも、未彩が自ら進んで真波ちゃんを棄てるって事は無さそうだと思ってたし、それより前から真波ちゃんが未彩に結構イライラしていたのは常々感じていたから、2人が決裂するならそんな感じで、それを真波ちゃんの側が後悔するならこんな感じかな? って思ったの。大体合ってたかな?」
真波「(もう察するとかいうレベルじゃないじゃん……っていうか、いつもの笑顔で言ってんのが怖過ぎなんだけど……。)まぁ……そう、そんな感じ。最初はスッキリした! って思ってたし、あたしの言う事を理解しない未彩が悪いんだから、ザマーミロ! とも思ってたんだけど……時間が経ったらさ、さすがにやり過ぎたかなーって、気がしてきて……。」
論名「成程ね。」
真波「……ね、論名って未彩と今でも割と喋ってるんでしょ? だから、未彩があたしの事どう思ってるかとか分かって」
論名「アハハ、それは流石に分からないかなぁ。と言うより、それは私から聞いても意味が無い事じゃないかな? だって、私から聞いてもそれは私が感じた未彩であって未彩本人の感覚じゃないし。」
真波「うぅ……やっぱり、未彩と直接話すしかないのかなー……」

論名「それは止めた方が良いよ。」

真波「えっ?(ちょ、ちょっと……さっきまでの笑顔、急に消えてない?)……で、でもさ、論名から聞いても意味が無いって、未彩と直接話せって事じゃ……」
論名「確かに、未彩の気持ちを知るという事だけに狙いを絞って考えればそうなるのは間違いないよ。」
真波「だったら」
論名「でもね? それ以外の色々な条件も考慮したら……真波ちゃんは二度と未彩に近付かない方が良いし、近付いちゃいけないの。」
真波「な、なんで!? あ、それって、トラウマになるぐらい未彩は傷付いたって事」
論名「違う。……確かに、真波ちゃんと話さなくなって直ぐの頃の未彩は中々に落ち込んでいた様子だったし、今でも気にする様子はあるみたいだから絶交が深い傷になったのは間違いないと思うよ? けど、それは単なるトラウマの証拠じゃなくて未彩が真波ちゃんを好いている証拠でもある。だから、未彩の気持ちという意味では真波ちゃんが仲直りを望む事に問題は無いんだけど……未彩を取り巻く状況が、ね……」
真波「……あたしが未彩を避けてる間になんかあった、ってコト?」
論名「そうだね、そんな感じだと思ってくれれば良いよ。それで……一度未彩を棄てた真波ちゃんが未彩にもう一度近付いて、もし未彩がそれを受け入れようとすれば……多分、2人ともただじゃ済まないんじゃないかな。」
真波「2人とも、って……未彩も、ってことだよね……?」
論名「そうだよ? だから『第三の力で未彩と実質的な心中をさせられる事になっても良い』と言える覚悟が無い限りは、もう未彩には近付かない方が良いね。」
真波「シンジューって、一緒に死ぬとかそんな感じだよね……? しかも、第三の力とかさせられるってどういう……」
論名「あんまり詳しい事は知らない方が良いし、調べない方が身の為だよ。真波ちゃんはただ『今の未彩に再接近するのは高リスク過ぎる』って事を覚えておけば良いの。……まぁ、真波ちゃんにとって未彩は一度廃棄済みの存在なんだし『他の誰か』が拾ってくれたら良いんだと思っておきなよ。じゃないと……本当に危ないよ?」
真波「……。(そんな事、急に言われてもワケ分かんないって……ていうか、論名の真剣な顔、初めて見たかも……危ない、ってマジなのかな……。)」

論名「(……具体的な事が全く言えない、って実は結構大変なんだよね……でも『真波ちゃんが未彩との再交流を望んで未彩が受け入れれば2人の絶交を好都合と捉えている藤咲先生が嫉妬で狂いかねない』とか『そこで未彩が真波ちゃんを庇えば2人とも藤咲先生に殺されかねない』なんて真波ちゃんには言えないし、仕方ないかなぁ……2人の身の安全の為にもこれで納得してくれると良いんだけど。)」


登場人物:
桜木 真波 (未彩に対して若干の情が残った様だが飽く迄も普通の人なので満が無関係で再交流できても結局は再絶交を選ぶだろう)
清上院 論名 (満が嫉妬心で人を殺せる系と勘付いているので一番危うい立場の真波を止めに来た)

補足情報:
この会話は飽く迄もIF(もしも)ネタであり、確定的な内容ではありません。
複数ある可能性の内の一つに過ぎない、という前提をご了承ください。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ