*Cross〆NoAh*
□第1夜
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エミリアside
とりあえず、ブックマンと2人で話がしたい
カレンのこととか、特に
ブックマンも聞きたいことがあるみたいだし
「―それで、貴方は何が知りたいのかしら?ブックマン(ニコッ
ラグナロクのこと?
それとも、カレンのことかしら?」
「…お主が弟子を持つとはな」
やっぱり、そこを突かれると思っていた
“時の魔女は弟子を持たない”
そう、思う人がほとんどだ
まぁ、確かに今まで弟子なんて持たなかったけどさー
「それ、みーんな言うよねー
私に弟子がいるの可笑しいかしら?」
「今までこの何千年も、弟子などを持たなかったか奴が突然弟子なんぞ持つのか?
なぜあの娘を、カレン嬢を弟子にしたのだ」
このジジィめ、痛いところばかり突いてくる
「…そうねー、気が変わった、とでも言っておこうかしら」
「気が変わった、じゃと?」
「そう、あの子だから弟子にした
あの子は特別だから…」
そう、あの子だから…
私の大切な、――の娘であるカレンだから、特別なの……
「カレン嬢に何があるというのだ」
「ブックマンはさ、あの子を初めて見た時、どう思った?
私はね、“光”だと思ったの
今はとても小さな、すぐに消えてしまいそうな淡く、脆い輝きだけど、いつの日か、それは強くなると、そう感じたわ」
「光…」
「あの子が望むなら、私はなんでもするわ
この命に変えても、ね…
だから、弟子にしたの
世界を知りたいとあの子が願ったんだもの」
そう、これはあの子が望んだこと
“『私の知らない世界を、教えてほしいの…!!
見てみたいの!
この目で……!!』”
今でも目を閉じれば鮮明に蘇るあの時のカレンの強い瞳
「…お主、変わったの
カレン嬢のおかげか?」
「ふふ、そうかもしれない」
「ブックマン、少しの間、カレンのこと頼めるかしら?
少し、調べたいことがあるの
私にとっても、カレンにとってもとても大切なことを調べに…」
「…わかった」
あの子に次会えるのは、遠い未来かもしれないな…
「あの子、すぐ無茶しちゃう子だから…
けど、とても優しくて強い子よ」
「…エミリア、最後にもう一度問おう
お主にとってカレン嬢はなんだ」
私にとってあの子は―
そんなこと、もうわかりきってる――
「―私の自慢の愛弟子よ」