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□腹立つアイツ
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ある休日。私は日頃のストレスを発散しようと一人でショッピングを楽しんでいた。
色々服やアクセサリーを見て、そろそろ休憩でもしようと行きつけのカフェに向かっていると、ショーウィンドウ越しに見えるマネキンに目がいく。ピンクのフリフリのワンピースがとても可愛い。


「あぁ…あの服も可愛いなぁ…でも私にはピンク合わないしなぁ…。」


アイツと違って。
アイツとは友人の松野トド松。まぁ、友人っていってもチビ太のおでん屋で会ったのがきっかけで、最近仲良くなったばかり。それでも何回か彼と二人で遊んだりしているんだけど…。
とにかくトド松は可愛い。ムカつくほどに。私よりオシャレにも詳しいし、常に可愛い顔を意識してるし、自撮りもうまい。無愛想で全然かわいくない私とは正反対。
思い出したらイライラしてきたのですぐにそこから離れる…が、後ろから声をかけられる。あぁ、振り返らなくても分かる。これは…例のアイツだ。


「やっほー、由夜!今日はお仕事休みなんだね♪」
「げっ…トド松。」
「げっ…てなにさ!」


ぷくーっと、頬を膨らますトド松に虫酸が走り、おもいっきり頬をつねる。


「いたたたたたぁぁっ!!!なにすんだっ!腐れ外道!」


泣き顔まで可愛いとか反則かよ!


「もう!ほんとに由夜は暴力的だよね〜!そんなんじゃいつまでたっても彼氏できないよ〜!」
「う、うるっさいわね!」


そんなこと言われなくても分かってる。すぐ人に八つ当たりするのが自分の短所であることも。
第一、トド松のが可愛いのはトド松が努力をしているからであり、私自身が努力すらしていないのに、腹をたててること自体間違ってることも分かってる。
だけど、それでも…好きな人が自分より可愛いのはやっぱり悔しい。


俯いて黙りこんでると、トド松が私の両頬をつねって無理矢理顔を上にあげさせる。


「いひゃいいひゃいっ!!!」
「えへへ♪さっきのお返し♪それに、由夜は可愛いんだから、そうやって顔上げてる方が似合うよ♪」
「え…?」


か…可愛い?いま…可愛いって言った…?私のことを…?トド松が…???
?しか浮かばず固まってしまった私を、トド松はクスッと可愛い顔で笑う。そして私の頭を撫でる。あぁ…懐かしいなぁ。
トド松が私の頭を撫でてくれたのはこれで二回目だ。一回目はチビ太のおでん屋で、お酒をのみながら仕事の愚痴をいっていたとき。
あのときも、可愛い笑顔で優しく私の頭を撫でながら「よしよし♪いつでもお話聞いてあげるから♪頑張って!」って励ましてくれた。思えばあの時初めて、彼の事を好きな人として認識したんだったなぁ…。


トド松は頭を撫でていた手を止めると、私に顔を近づけた。ていうか…めちゃくちゃ近いんだけど!?/////
思わず顔が熱くなる。彼はそれを見ると楽しそうに口角を上げて微笑んだ。


「由夜は可愛いよ♪僕の次にね♪」
「…。」


私は真顔で頭を撫でている手を掴み、おもいきり捻りあげた。








END…?







「まったく!ほんとに由夜は加減を知らないんだから!」
「あ、あんたが私をからかうからでしょ!!」
「まったく…すぐそうやって八つ当たりする。……黙って顔赤くしてたときはほんとに可愛かったのに……。」
「ん?いまなんか言った?」
「なーんにも!それより僕お腹すいた〜。荷物もってあげるからご飯おごって♪」
「ざっけんな。働けニート。でも荷物はもって。」
「暴君だ!!」


そして二人はこの後めちゃくちゃショッピングを楽しんだ。






END
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閲覧有難うございます!
いつかトッティーの話を書きたいと思っていたので、かけて嬉しいです♪
私はゲストッティーもアザトッティーも好きです。皆さんはどちらが好きですか?(^O^)


楽しんでいただければ幸いです♪

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