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□わたあめ姫
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平日の真っ昼間。俺はひとりぶらぶらと街中を散歩していた。どうせ家にいてもやることもないし、外にいけばなにかしら面白いことがあるかも…と出てきたのだが、なかなかそういうわけにはいかないらしい。
「はぁぁぁ…つっまんねぇなぁ。」
深いため息をついて空を見ると、そこにはいつもと変わらない青空が広がっていた。ぼーっとなにをするでもなく歩いていると、前方に見慣れた女性の後ろ姿が見えた。白いワンピースに身を包む彼女は、俺の幼馴染みの由夜だった。
俺はいつもの様に驚かせてやろうとそーっと後ろから近づき由夜のスカートを思いっきりめくった。
「きゃっ!?」
「はははっ!大成功!!どう?驚いた??」
「も、もう!おそ松くんのばかっ!!ばかっ!!///」
「ごめんごめん、大丈夫だよー。由夜がおこちゃまパンツから卒業したことは弟たちには内緒にしとくから!」
「そ、そういうことをいってるんじゃないの!もう!///」
「はは、ごめんってww」
ばかばか連呼してくる由夜はなんだか可愛くてついついいじめたくなっちゃうんだよなぁ〜。
すると由夜はお返しと言わんばかりに俺に持っていた荷物をてわたしてきた。
「ほら、おそ松くん。許してあげるからその荷物をうちまで運びなさいな。」
「え〜、めんどくさいんだけど…。」
「だめでーす。決定事項だからね!ほら、さっさと運ぶ!」
「うへぇ…。」
実際口ではめんどくさがっても久しぶりにあった由夜と話すのはやはり楽しいもので、正直このままかえるのはおれ自身ももったいないなぁ…なんて思ってたからちょうどよかった。
ただ、こいつの場合マイペースすぎてここからが問題なんだけど…。
「あー、みてみて、おそ松くん!クレープ屋さんができてるよ!いこうよ!」
「ちょっと…俺ただでさえ荷物持ちで無駄な体力消耗してるのに……。」
「だーかーらー、その消耗した体力を回復しにいくんでしょうっ!ほらいこうよ!」
「えーーーーー。」
そう、こういうのだ。由夜には俺の皮肉がまったく通じないから、どんどん由夜のペースに巻き込まれてしまう…。
自分から関わっといてなんだけど、こういうところは相変わらずだなぁと思いながらも繋がれた右手がちょっとだけ嬉しくてそのまま深みにはまっていく。
クレープ屋につくやいなや由夜はどれにしようか数分迷い、なかなか決められない。
「まーだ決まんないのかよ。俺もう省エネモード入っちゃうからねー。これからあんまり喋んなくなっちゃうかんねー!」
「んー、もう少しなの!このストロベリーチーズケーキにするか…チョコバナナホイップにするか…。」
「はーあぁ、女ってのはどうしてこういう時こんなにも悩めるのかねぇ…。」
「んー、でもあっちのカフェモカアイスも気になる…。」
俺の皮肉はやっぱりまったく意味がないらしく、由夜がメニューを決めたのはそれから更に数分がたってからの事だった。
少しして会計を済ませた由夜は、片手にクレープ、片手にアイスをもってこちらに歩いてきた。
「おまたせー。」
「遅い!てかなに…それ二つとも食べるの?さすがに太るよー…。」
「違うよ!まったく!これはおそ松くんの分!!」
「え?俺の?」
由夜は片手に持っていたアイスを俺に手渡してきた。
「待っててくれてありがと!それと荷物持ちのお礼、だよ!」
由夜はえへへ、と照れくさそうに微笑み自分のクレープを食べ始める。なんだよ今の…。すっげぇ可愛いじゃん…。
今までは可愛い幼馴染みとしてしか見ていなかったのに、急に女として意識してしまった。一生懸命クレープを頬張る姿でさえかわいく思えてきた。
やっべー…、完全に俺、今ので由夜に落ちたわ…。
「おそ松くん?どしたの?」
「…。」
あぁっ!もう!
ほっぺたにクリームをつけてこちらを見つめてくる由夜を引き寄せる。
「お…おそ松くん????」
そしてそのまま口を近づけ、ほっぺたのクリームを舌でなめとる。
「ごちそーさん。」
「ば…ばかぁっ!!////」
顔を真っ赤に染める由夜を見て、俺は満足し微笑んだ。アイスなんてやっすいお礼より、由夜の焦った時の可愛い顔を見れる方が俺的には嬉しいみたいだ。
これからは、その可愛い顔は俺専用で頼むぜ?甘い甘いお姫様。
END
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閲覧ありがとうございます!
今回は初リクエスト投下という感じになっております。ポチ様リクエストありがとうございました!
テーマはマイペースヒロインに振り回されるおそ松!です!
ここだけの話管理人はマイペースがいまいちわからずwi○iで調べましたので若干間違ってるかもしれませんが楽しんでいただければ幸いです!(^^ゞ