世界を彩る

□#11
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「あぁ、そんなの言ってくださったら届けましたよ?」


低姿勢でそう言う店長。
社長という立場であるはずの織星はけれどその言葉に首を振る。


「たまには自分の足でお店見ないと駄目ですし、ついでですから」


そう告げて目を細める。
その言葉に偽りはなく、彼らがいなければ店に来なかったのは事実だ。


「そうだったんですか。でしたら、ごゆっくり見て行ってください」


にこりと笑みを浮かべた店長の言葉に、織星はへらりと笑う。
その顔を見て、吉継はひっそりと目を細めていた。
気づくことのなかったその変化。
店長と別れ、吉継の服を探す織星は何事もないように服を漁る。


「なにか希望とかありますか?」
「そうよな。肌の見えぬものが…」
「あぁ、じゃああっち見てみますか」


そう言って車椅子を押す織星。
なんてことない顔をして吉継の服選びに付き合う彼女に、吉継はひっそりと疑問を感じていた。


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