世界を彩る

□#07
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***

その後一番最後に武器を手放したのは三成だ。
もともと武器を持っていなかった吉継と共にの説得は中々に骨の折れるものだった。


「武器の手入れは御自由に。私じゃ管理できませんし、家から持ち出さなかったらそれでいいんで」


言い忘れていたことをさらりと告げれば、まるで安心したかのように胸をなで下ろす三成。
目に見えた安堵に、どうやらこの刀は相当大切なものなのだと思い知らされた。


「まあ、そのほかは後後話します。取り合えす今はご飯にしましょう」
「朝餉か、手伝おう」
「ありがとうございます、かすが」


立ち上がりながらそう言うとやはりかすがが率先して手伝いを申し出た。
ありがたい限りだが、ここまで気を使わせてはむしろ居心地も悪い。
けれど彼女にも譲れないものがあるのだろう。
その言葉は口にせず、キッチンに向かいながら電化製品の説明をする。
リビングに残された三人は己の前にある家電と武器を見つめながら、少々の休息に体を落ち着かせた。


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