この世成らぬ地の

□#05
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無表情も合理主義も変わらないが、それでもその目の奥にある根本はもう大人へとなり寂しくも成長してしまった。


「また、鬼灯の昔話を肴に酒でも飲みたいなぁ?」


同意を求めるように話せば、閻魔大王はまた困ったように笑った。


「鬼灯くんがワシを無事に帰してくれる日が来たらね」


その笑みの奥に見えるスプラッタな日常を見つけ、蓮はくくっと喉で笑う。


「なら、今日は無理そうだな」


残念そうに呟くと、閻魔大王はきょとんとした。
そしてぎこちない動きで背後を向けば、正しく鬼の形相をした鬼灯がただじっと閻魔大王を見つめているのだ。


「私を肴に、ですか」
「ヒッ」
「そんな暇があるのなら、仕事をなさいっ!!」


カッと鋭い眼光で睨みながら発した言葉に、閻魔大王はビクリと肩を震わせては、遠くなった帰宅を憂いながら仕事へと戻っていった。


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