この世成らぬ地の
□#04
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鬼灯と歩きながら話したことはもっぱら、今までなにをやっていたのかという保護者じみた質問ばかり。
他に聞かれたことといえば、白澤との出会いはいつなのかや体調は悪くないかなど、心配してくれるような質問ばかりだった。
正直言って大の男の問いかけとは言えないほどに母性が滲んでいたものばかりだ。
「鬼灯、」
「蓮さん、私はまだ話し終わってませんからね。ということで」
そう言ってポイも放り込まれたのは鬼灯の部屋。
電気の付いていないその部屋は薄暗く、物で溢れたここは随分と圧迫した雰囲気を醸し出していた。
「ここ…」
「私の部屋です。あと二時間ほどで縛り上げてでも上がってきますから、待っててください」
ドアからひょっこり顔を出して言う鬼灯。
乱雑な部屋のなかで蓮がわかったというように苦笑いを溢せば、鬼灯はパタンとドアを閉めて行ってしまった。
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