抜き身に気を付けて

□#12
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忍のもとへ行ったはずの大倶利伽羅があっさりすぐに戻ってきた。
丁寧に角を合わせて畳まれた紙を持っていることだけが最初と違うところだ。


「アイツ、なんだって?」


不信感が先立ち、ついつい口調が乱れる鶴丸。
しかし大倶利伽羅はさしてなんの返事もせず、そこに集まる刀剣男士たちを組分けしていく。


「第一部隊、隊長加州清光。班員、三日月宗近、小狐丸、燭台切光忠、山姥切国広、薬研藤四郎」


レベルの上位から順番に選ばれた第一部隊。
紙を読み上げる大倶利伽羅はしかしそれだけでなく次々に部隊編成をあげていく。


「第二部隊、隊長小夜左文字。班員、今剣、五虎退、陸奥守吉行、鴬丸、太郎太刀」


二番隊は古参ながらに練度の低いメンバーに練度の高い小夜を隊長として指名していた。
構成的には文句はない。


「第三番隊、隊長歌仙兼定。班員、江雪左文字、にっかり青江、蜂須賀虎徹、前田藤四郎」


三番隊は練度の低いメンバー。
これもバランスの取れた配置である。


「第一部隊は出陣、第二第三部隊は遠征。残りは全員本丸にて自由行動だそうだ」


読み上げた紙を畳みながらそう告げる。
無茶な編成でもないため不満をあげることも出来ず、部隊に組み込まれた面々はどこか腑に落ちないようだが戦支度を始める。
残されたメンバーも散り散りになれば、ようやく大倶利伽羅はその場を離れた。
そうする必要かどうかはわからないが忍のもとに戻る足。
その足取りは思っていたよりも重たくはなく、むしろ前審神者よりも心地いい距離感なだけに気持ちも軽かった。


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