メモ
□逆さまの砂時計
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頂上決戦は終わった。
赤く染まった屍の転がる聖地は、今はピリピリとした空気に包まれている。
海兵だったり海賊だったり。
そこで死んでいる人間は様々だ。
人間じゃないものだっているし、元能力者もいる。
そんななか、一人の少女はその屍たちの上を滑るように進んでいく。
「今回の戦争は全面的にそちらが悪いと思うけど、どうかしら…?センゴク」
中性的な声が項垂れるセンゴクに向けられる。
声は少女から発せられたものだ。
しかしその言葉や雰囲気は少女というには色々と語弊がある。
「時空の覇者か」
「そう呼ばれるのは嫌いよ?」
クツクツとまるで大人の女のように笑う少女。
「子は親を選べないのに、それにつけて子にまで罪を背負わせるのは理不尽ね」
「だが、危険因子だ」
「そうね。彼は強くなるはずだったわ。でも、エドの下にいたのよ?貴方たちの考えるような海賊にはならないはずだったわ」
「海賊など、皆同じだ」
「相変わらず硬い頭ね。そういうところが人間のなかでも嫌われる原因になるよの。実際、エドの海賊団は一般人を襲うことなんてなかったわ。むしろ邪な正義しかない海兵たちから守ってた。評価すべきよ」
きつい言葉を浴びせ、少女はふわりと笑った。
「私は、あなたの過ちがを赦せない。けれどこの仲に免じて、チャンスをあげるわ」
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