石楠花物語小学校時代
□小4時代
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『石楠花物語小4時代』
⚪城南小学校前・校門
小学四年生が全員集まっている。金子一恵と小口千里
金子先生「それでは、出発の説明をする前に今日から新しく2部に加わることになります、転校生を紹介致します。では、小口君、自己紹介をして。」
千里「はいっ。京都、京都市から参りました小口千里です。みんな今日から仲良くしてください。宜しくお願いします。」
金子先生「はい、では小口君、君はね…」
千里に指示。千里、言われた通りの場所に加わる。後藤秀明、小平海里、永田眞澄、北山マコ、鈴木真亜子、微笑む。
後藤「よ、俺、後藤秀明。」
小平「俺、小平海里。仲良くしよ。」
千里「僕、小口千里です。宜しく。」
弱々しく微笑む。
眞澄「あんた本当に男?男の癖に偉い控えめね。」
千里「君は?」
眞澄「永田眞澄ってんの。」
マコ「ふーん、あんた京都から来たのね…こっちの事全く分からないでしょ?」
千里「うん…」
マコ「いいわ、今日はこれから長野旅行だから私達が色々と教えてあげる。」
千里「ありがとう…」
マコ「私は北山マコ、」
真亜子「私は、名前似てるけど、鈴木真亜子。宜しくね。」
千里「うん、こちらこそ。」
金子先生「みんなぁ、あなたたち何よそ見してるの?今は先生の説明をちゃんとお聞きなさい。」
6人、前を向き直る。
⚪バスの中
千里はマコと並んで最前列に乗る。窓際。千里はワクワクと頬を踊らせている。
マコ「何か困ったことがあったらいつでも言ってよね。」
千里「うん。」
バスは出発する。
⚪宮川長峰小学校前
四年生がバスに乗り込む。柳平麻衣は最前列の窓際。田中磨子と並んで座っている
磨子「ねぇ麻衣ちゃん、いよいよね。」
麻衣「えぇ!!」
磨子「気持ち悪くなったり何かあったらすぐに言ってね。」
麻衣「ありがとう、磨子ちゃんもな。」
磨子「うん、でも私は大丈夫よ…でも、あーあ…」
退屈。
磨子「つまんないの、去年までずっと一緒だったあのちびが今年はいないなんてさ…」
麻衣「健司のこん?」
磨子「そーさやぁ、そいつしかおらんらに!!あいつ結構、苛め概があったのに…」
麻衣「こらっ!!」
二人、クスクス。
麻衣「でも原村だだもん、すぐに会える距離だだに。ほれに健司も、又私達と遊ぶっつっとったに。」
磨子「そうね。コスモス湖岸で又あったときに思う存分弄ってやろっと!!」
後ろには横井哲仁、吉岡末子が乗っている。
横井「ほーだほーだ、あんなやつどんどん苛めて泣かせてやれ!!」
末子「そんなこといっててつ、あんた健司がかわいくてしょーがないんでしょ?」
横井「うっせー!ただあいつが男の癖に弱虫で泣き虫だもんで鍛えてやるんだよ!!」
原小の岩波健司、くしゃみをする。
健司(嫌だな…風邪かなぁ…。)
宮坂康恵先生、前に出てくる。
宮坂先生「それではみなさん、高速道路に入ります。カラオケ大会でも始めますか?」
クラスメート大盛り上がり
⚪城南諏訪小のバス
高速道路。カラオケが行われている。
全員『♪愉快な五人の家族が揃って…』
千里、歌いながら少しずつ切なそうな表情
千里(ママ…僕本当はすごく不安だよ…怖いよ…)
涙が溢れて溢れる
千里(京都の学校へ帰りたいよぉ…)
俯く。マコ、ちらりと千里を見る。
マコ「千里くん?」
千里「…。」
マコ「千里くん、大丈夫?どうしたの?」
手を挙げる
マコ「先生、宮坂先生、千里くんが泣いてます。」
金子先生「千里くん?どうしたの?大丈夫?」
千里、泣いたまま
金子先生「千里君?」
眞澄「先生、私とマコちゃん、席を交代してもいいですか?」
マコ「私もそれがいいと思います。眞澄ちゃんの方が…」
金子先生「分かりました。」
マコ、眞澄と席を交代する。
眞澄「千里くんよね、」
微笑みかける
眞澄「私、永田眞澄ってんの。あんたは、千里くん。だから今日から私、あんたのことチーちゃんって呼ぶわ。」
変顔などをして必死に笑わせようとしている
眞澄「ほら、この私の財布、臭い嗅いでみてよ、醤油臭い。」
千里「本当だ…」
弱々しく微笑む。
千里「眞澄ちゃん…ありがとう。」
眞澄「良かった、チーちゃんやっと笑顔になった。」
⚪姨捨SA
宮川長峰小学校のバスと城南諏訪小学校のバスが止まる。
麻衣「あー、私、トイレトイレ!凄いトイレ行きたかったぁ。」
照れて頭をかく
麻衣「いやぁ、水筒のお茶飲みすぎちゃった。」
水筒を降る
麻衣「お昼の分、へーないや。」
磨子「私も、トイレ行きたい。麻衣ちゃん、一緒に行こ。」
麻衣「えぇっ!」
二人、トイレに走っていく。
後藤、小平、眞澄、マコ、真亜子もバスを降り始める。
眞澄「あれ、チーちゃん、君は?降りないの?」
真亜子「おしっこは?」
千里「うーん、今はあまり行きたくないな…」
後藤「そうか?ここで済ましておいた方がいいぜ。」
小平「当分行かれなくなるかも。」
千里「え、そうなの?じゃあ僕も行く…」
6人でぞろぞろとトイレへと向かう。
⚪バスの中
麻衣たち、千里たち、其々にわいわいとしている。千里の機嫌はすっかりと直って笑顔で打ち解けている。
⚪長野県庁・建物内
宮川長峰小学校が見学をしながら話を聞いている。
磨子「…つまらな…」
麻衣「私もそう思う…」
横井「俺も、」
末子「私もよ、」
四人、クスクスとしながらメモを取っている
麻衣たちが見学を終えると、入れ替わりに千里たちの学校が入ってくる。同じ様に見学をして話を聞きながらメモを取っている。
マコ(全く、こんなとこ、一体何のために来るのかしら?)
眞澄(つまらない…)
真亜子(広いなぁ…)
千里は不安そうな表情挙動不審にキョロキョロ
千里(何か又トイレ行きたいな…ここのトイレは使えないのかな…)
メンバー、見学にくるくると歩き回っている。