リクエスト作品

□福×乱
3ページ/5ページ

やはり、平日なだけあって店もそんなに混んではいない。

「あったあった、あれが猫カフェだよ!」

「ねこ、かふぇ…。」

ここが…!!あの、猫と戯れ放題という……魅惑の店…!!!


カランカランと小気味のよいベルが来店を知らせた。

「…おおぉ。」

「ふ、福沢さんがキラキラしてる…!!なんか怖い!」

部屋を見渡すと猫、猫、猫。

走り回っている猫。棚によじ登って落っこちる猫。さっそく興味を持って足元に集まる猫。

「福沢さん、ほらほら撫で放題だよ!!」

足元に集まってきた内の一匹を乱歩が抱き上げ福沢に向けた。

(なんという可愛らしさだ。二つの意味で。)

そっと額を撫でようとしたところ、

フニャ…ッ

「あ、気絶した。…福沢さんの顔が怖すぎたのかな……。」

「(………………。)」

やはり、ダメなのか。

「そんなことだろうと思って!じゃじゃーんっ!」

と言うと乱歩は何処からともなくカチューシャを取り出した。

……しかも黒い耳付きの。


「……よいしょ。」

何を、……する気だ。

「さぁっ、思う存分僕を撫でていいんだよ!今だけ福沢さんだけの猫だから!」

「乱歩、……もういい。もういいんだ。」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ