リクエスト作品
□福×乱
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「ああぁ〜福沢さんっ福沢さん!」
タタタッと駆け寄ってくる乱歩。
……持ち合わせの時間はもうとっくに過ぎている。
「どうした、…随分遅かったではないか。」
肩で息をしながら乱歩は得意げに答えた。
「あのね!道に、迷ったら、かわいい猫がいたの!」
ぱぁぁぁ、と純粋な笑顔を向けられては咎めることなんかできない。
(私は乱歩が猫と戯れている間、気が気でなくて6回も歩道を行ったり来たりしたんだぞ…。)
「あぁの、えと……ごめんなさい。……怒ってる?」
「…………行くぞ。」
無駄なく踵を返し歩き始めると乱歩が慌てててを手を握ってきた。
「心配かけてごめんね!…6回は捜しまわったんでしょ?」
ふふふ、と笑いながら。
(バ、バレている…。)