夢小説
□ポオ×乱
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──────乱歩のも元へ届いた一通の手紙、…はてさて送り主は…。
コンコン、バタン!
と小気味よい音と同時に古めかしい扉が開いた。
「うわぁあああ!…乱歩くん…いきなり入って……くるなんて…お、お、驚くじゃないか…!」
怒っている様子だが声が小さいのでいまいち伝わらない。
「うるさいなぁ!ちゃんとノックしたじゃないか!」
ぴょこぴょこと歩きながら「あともっと大きい声で喋ってよ!」と抗議を付け足して。
来客用の大きいゆったりとしたソファに腰を下ろすと乱歩は続けた。
「そだそだ、これ。」
ポケットから取り出した少ししわくちゃの便箋、宛名はどうやら乱歩宛のようだ。
「新作、…できたんでしょ!!」
早く早く!読ませてよ!!
…と、ソファから身を乗り出して催促する乱歩。
「ま、まぁその前に…せ、世間話とか…どうだろうか?」
かろうじて聞こえるボリュームの声。
シンプルな白い陶器のティーカップと、ささやかなマドレーヌと共にポオはソファへ腰かけた。
「何?紅茶?ちょうどいいや!喉が乾いていたところなんだ!」
礼儀もテーブルマナーも無視し、グイッと一気に紅茶を煽る乱歩。
「で、新しい小説の内容、…ぁれ…何か眠…く、…」
パタリと倒れる瞬間、
「君が…君が、…悪いんだ…。」
と、かすれた声が聞こえた。