不老の命と同族の君

□序章
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不死鳥族
それは天下万民から恐れられた存在
全てを熱し、破壊する
そして容姿が変わる事がないと

化け物たる存在
それが過去に生息していた不死鳥族だった
だが、彼らは忽然と姿を消してしまったのである
現在、その血を継いでいる人間はほぼ見当たらないとされている

だが、この男は、その不死鳥族の血を濃く継いでいた

この手に筆を持ち、書物を書いている男の名は毛利元就
稀代の謀将とも呼ばれている、知略に優れた毛利家の現当主であった

そんな彼は、あの妬まれし一族の末裔としてこの世に生まれ落ちたのだ
息子たちが老いていく中、自分だけは何故か歳を老わない

彼は、その事を深く疎んでいた

誰も…この苦しみは分からない

不老であることが、どれだけ苦しいか
家臣達は理解する事が出来ない

元就は深く悲しんでいた

そんな彼に、光が差し込む

それは、元就が桜並木の道を散歩している時であった

傷だらけで倒れていた少女を保護してから
元就の人生に光が差し込んだ

そう、彼女も、また
その一族の末裔であったからだ

ここから
毛利元就と
竹中半兵衛による
恋物語が

今、紡がれてゆく…

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