短編小説

□聖しこの夜
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ぼくは毎日、ベッドにいなくちゃいけない。外は雪も降って寒いのに、ぼくはずっと暖かい部屋の中。
前みたいに、お友達と雪合戦したいなぁ。ぼくの身体が良くなったら。

明日はクリスマス。ぼくの7歳の誕生日でもあるんだ。去年はお母さんと、小さなアパートの中でクリスマスツリーをカラフルに飾ったり、苺の乗ったケーキを食べたりした。
「楽しかったなぁ。」
大好きなお母さんのあの笑顔を思い出す。

でも今は真っ白な病院の中。
賑やかなイヴはどこにもない

心電図モニタの音が孤独に鳴る。
ぼくの中に流れる温もりが、もう永くないのはわかっていた。
不思議と…感じてしまうのだ。
ぼくは窓の外に輝く星を眺めて呟く
「ぼくがサンタさんに願うのは…」
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