Zzz…

□労働讃歌
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【サラリーマンおそ松】

「俺、明日名前の職場に行くから」
『ぇ、何で?』
「いやぁ、商談があってさー。上手くいくといいんだけど」
『そうなんだ、頑張ってね!!』
「だから、案内よろしくね〜名前ちゃん♪グフフ…」
『もー、なにそれー。』

以前、おそ松は事務職が良いって言ってたけど営業本部に勤めている。初めはブー垂れてたけど何だかんだで板についているみたい。
かくいう私は別の会社の受付をしている。同棲しているから毎日顔を合わせているけど、職場で会うなんてちょっと恥ずかしいよ…。

―翌日―

午後1時45分、自動ドアが開くとおそ松が入って来た。受付を見つけるとニヤニヤしながらこっちに近づいてくる。
全く、仕事中なんだからしっかりしてよねっ!!
「お忙しいところ失礼いたします。」
『いらっしゃいませ、ご用件をお伺いいたします(営業スマイル)』
「私、赤塚商事の営業部の松野と申します。本日そちらの営業部の田中様と2時にお約束させて頂いておりますが、おいでになられますでしょうか?」
『(…っ!!)は、はい!営業部の田中ですね。少々お待ちください。』

いつものダラダラしているおそ松とは違い、キリッとした姿に不覚にもときめいてしまった。内線をかけながら少しドキドキしていた。
しっかりしなきゃいけないのは私の方みたい。
その後、田中部長がすぐに迎えに来て二人はエレベーターに乗った。
あのギャップのせいで、その後の仕事は半分上の空だった。



「ただいまぁ〜」
『お帰りなさ〜い』
丁度夕飯が出来た頃におそ松が帰って来た。
「いやぁー疲れたぁ〜」
『商談どうだった?』
「あー、お陰様で上手くいったよ〜」
『良かったね!!』
「てか田中部長ってすげー良い人だなー!俺なんかにも丁寧に対応してくれたし。しかもほら、出迎えてくれたじゃん!?」
『そうだったね。部長超優しいんだよー。いつも営業先の人にもああやって出迎えてくれるみたい。』
「へぇ〜…それより名前の制服姿、めっちゃ可愛かったなぁ〜」
『ちょ、やめてよ…恥ずかしいじゃん…』
「ねぇねぇ、俺の仕事してる姿カッコ良かったでしょ?顔赤かったよ??ゲヘヘッ」
『〜〜〜っ!!う、うるさい…!!』
「あ、図星じゃん!!惚れ直した!?」
『もう!!いいから早く着替えてっ!!ごはん食べるよ!?』
「へーへー。」



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カッコイイなんて絶対言ってやらない…。


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