僕のヒーローアカデミア


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味方の筈のオールマイトからにじみ出る怒りに

身構えてしまう

死「待ったよヒーロー 社会のゴミめ」

オールマイトに意識がいってる内に

足に力を込めて戦線離脱しようとした瞬間に

抱き上げられる感覚を味わう

一瞬でオールマイトに移動させられたことに気付いた

オ「氷水気少女 相澤君を頼んだよ」

相「オールマイトさん お願いします」

消太は自分がいても足手纏いにしかならないのを理解して

掠れた声でオールマイトに託した

今消太を置いて行くわけにはいかない

此処はオールマイトに任せて

一度消太を治療しないと

地面を蹴り 水分凝固で作り出したサーフボードで

空気の上を進み出入り口に向かった

麗「主人公の名前ちゃん!」

芦「相澤先生!!」

出入り口には水難ゾーンにいた3人を含め

黒霧のいう“散らし漏らした子供”の

天哉を除いた5名

そして火災ゾーンで一緒だった尾白くん

合わせて9名が無事に集まった

しかし

涙をこぼすお茶子ちゃんと三奈ちゃんの近くには

コスチュームの破れた13号先生

先生も酷いけがを負っている

ペットボトルから水を出して

13号先生の体を覆う

『背中から上腕にかけての裂傷あり
 流血は少ないね 止血はしておこう
 うん 命に別状はないから安心して』

不安そうな表情のお茶子ちゃんと三奈ちゃんに笑う

13「氷水気さん・・・」

『引きちぎられてるのと同じ状況です
 私の治癒の方法だと今は治療できません』

13「先輩・・・イレイザーヘッドは・・・?」

自分より消太の心配をする姿に

少し笑ってしまったが

うつぶせに倒れる13号先生からは

消太が寝かされてる姿は見えていない

余計な心配は掛けなくて大丈夫でしょ

『消太も大丈夫です 先生ほどひどくないですよ』

そう言ったら

ホッと息を付く声がコスチュームの中から聞こえた

時には嘘も大事だよ

『お茶子ちゃんと三奈ちゃんは13号先生についてて』

私の言葉に頷いた二人の頭を撫でて

消太の所に向かう

『皆少し下がって』

13号先生に聞こえないように皆に

消太の状態を誤魔化してる事を伝えた

『皆はオールマイトの応援をしてて
 その声で消太の声も聞こえなくなる』

私の声に皆は決意したように

オールマイトの応援に行った

その中に出久の姿が無いのに気付いた

治療してて注意力が散漫になっている隙に

オールマイトの所に行ったか?

正義感の強い彼の事だ

何かしらオールマイトとの繋がりを持っているからか

助けに行ったのだろう

水で一番酷そうな腕から治していく

その時

ドガァアアアン

と音がして

治療の手を止めて顔を上げた

『何があった』

佐「オールマイトが敵をコミックみたいにブッ飛ばしたんだ!」

興奮したように言う佐藤くんに

確認の意味を込めて

見聞色で広場を見る

脳無が居なくなり

オールマイトの周りには

勝己 鋭次郎 轟くん 出久

がいた

対して敵は黒霧と死柄木弔の二人

オールマイトなら勝てるであろう二人である

だが

今のオールマイトは

USJに来た時より遥かに疲れ切っている

勝てるか?

戦闘経験の劣る生徒4人

に対して

殺すことを目的に来た大人2人

勝てるはずがない

『ダメだ・・・・』

助けに行かないと

だけど消太の治療をしないと

私を庇ったときに顔面をケガしてる

ヘタしたら

目を使う“個性”の消太に後遺症が残るかもしれない

だけど

行かないとオールマイトが・・・

相「主人公の名前」

掠れた声に消太の顔を見る

止血を済ませて

血を拭いとったけど

目の下に大きく傷が出来ていて

肉が見える

『消太!』

頬を撫でて消太の視界に入るようにする

相「行って来い」

私の考えてた事を見透かした言葉

相「行け」

そう言われて走るのも億劫で

アクアジェットでオールマイトの元に向かう

オールマイト!

オールマイトの姿を視界に入れ

加速しようとしたら

目の前が真っ暗に染まり

そのままの勢いのまま私は地面に向かって突っ込んだ

『ウグッ』

すぐに立ち上がろうとしたけど

誰かに正面から首を捕まれた

死「気付いてないとでも思った?主人公のナマエちゃん?」

黒「今回の目的は“A級危険人物”である
  貴方の捕獲も入ってるんですよ」

久しぶりに聞いたよ

“A級危険人物”

死「お前はこっち側の人間だろう?
  なんでそっちに居るんだよ
  一緒にヒーローたちをぶっ殺そうぜ?」

『ふざけてるのか?お前らの切り札である
 脳無で傷一つ付けれなかったお前らが
 私に敵うと思っているのか?
 考えて物を言え バカなのがバレるぞ』

もう少しだ

もう少しで応援が駆けつける

それまで私の命を代償にしてでも

コイツ等を縛り付けなければ

黒「小娘 言葉が過ぎるぞ」

怒ったのか怒りをあらわにする黒霧に

玩具を見付けたかのように

顔に付けた手の奥で赤い目を輝かせる死柄木弔

やっかいな奴に目を付けられたな

私の首を掴む手とは逆の手で

パーカーのフードを崩していく

崩す?

触れたら死んじゃうパターン?

でも私死んでないよね?

首に触れている手を冷静になって考える

一本触れていない

中指だけ触れていないその手は

いつでもお前を殺せるぞ

と脅してるかのようで

緑「主人公の名前ちゃんから離れろ!」

いつの間にかこっちに向かって来る出久に驚きながら

視線を出久にとられた死柄木弔の隙を狙う

『バカにするなよ雑魚が』

睨み付け体制を立て直して

手を引き剥がし武装色の覇気を纏い

死柄木弔の顔面を

力の限りで殴った

黒霧に向かって行ったのは偶然だろう

黒霧が驚いて能力を使えない内に出久を抱き留める

死「いてぇ・・・・」

緑「え?主人公の名前ちゃん?」

『出久のおかげで隙が出来たありがとう
 それにしても
 バランスが万全じゃなかったんだから痛いはずないだろう?』

立ち上って死柄木弔に視線をやる

首がズキズキする

崩されたか

首に触れて自分自身を凍らす

クザンさんの体同様崩されても復活することが可能な体だ

私の場合水が無いとだけど

常に水の能力をONにしてるから

氷の能力にシフトして傷を治し

万全な状態に戻す

頭に血が上ったのか

何かを叫びながら向かって来る

しかし

それは死柄木弔の手のひらに撃ち込まれた銃弾と

飯「1−A クラス委員長 飯田天哉!!
  ただいま戻りましたァ!!」

頼れる天哉の声と複数の気配

あぁこれで大丈夫だ

ポーチから昔付けられていた手枷を自身の手首に付け

一目散に逃げようとする黒霧に手を伸ばす

服を掴み

確実に実体のある部分に手枷を押さえつけようとした

13号先生もケガが痛む中

黒霧を逃がさないように自身の個性

“ブラックホール”

で引き寄せようとしていた

しかし

あと一歩の所で黒霧は死柄木弔を連れて消えてしまった

『(逃げられた!!)』










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