僕のヒーローアカデミア


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敵を逃がしてしまった事に苛立ちを隠せず

手枷を外して地面を殴るが

未だに立ったままのオールマイトの姿に

違和感を覚える

体の半分

クラスの皆から見える方は筋肉ムキムキで

もう半分は

職員室で見たヒョロヒョロの姿

『“蜃気楼(ミラージュ)”』

空気中の冷気を利用して

周囲の空気との間に著しい温度差を発生させ

“オールマイトが立っている”という蜃気楼を作った

そのことにオールマイトも気付いて

疲れたようにしゃがみこんだ

しかし

切「緑谷ぁ!! 主人公の名前!!!大丈夫か!?」

鋭次郎の私達を心配してくれるのは嬉しいけど

オールマイトの近くにスクリーンがあるだけで

近づかれたらバレるから!

しかし

いきなり現れたコンクリートの壁に

鋭次郎の姿が見えなくなる

セメントス先生がどうにか誤魔化したらしい

『じゃあ私もあっちに合流するよ』

緑「え?」

『後で治療しに保健室行くから』

出久を説得して

私は皆の元に向かった

USJから出て初めに見たのは

消太が救急車に運ばれる姿

私が見捨てたからだ

チラリと少しだけ見えた消太は目を閉じていて

あれから気絶してしまったのかもしれない

その姿を視界に入れないようにして

駆け付けた警察の指示に従った

そして

教室にコスチュームから着替えた皆が集まった

そして

出席番号順に始まった事情聴取

何故か警護の為になのか監視の為になのか

B組の担任の筈のブラドキング先生がいた

そして何人かの警察官も

そして私の番になった

だが入れ替わるように教室に入って来た勝己に

腕を捕まれる

爆「なんでてめェが疑われなきゃなんねぇんだ?
  何で今日襲って来たヴィランより
  テメェの事ばっか聞かれんだ
っつてんだよ!!」

その言葉になんとなく

クラスの皆が事情聴取が終わって

私の事をチラチラ見てるはずだよ

『それは私が強いから』

満面の笑みで言い放つと呆気にとられるクラスメイト

その隙に私は事情聴取をする別室に向かった

「初めまして 氷水気主人公の名前さん
 僕は塚内だ よろしく」

部屋に少し不機嫌気味に立っているプレゼントマイク先生と

私を睨みつける出入り口を警備する

数名の警察官

爽やかな男性オーラを出す塚内さんの隣の人は

自己紹介もせず

私を睨みつけていた

塚「じゃあはじめに
  金曜日にマスコミが校舎に入って来ただろう?
  その時君はなにをしていたかな?」

『鋭次郎と一緒に居ました』

塚「じゃあ今回敵が襲撃して来た時
  君はどのあたりにいたかな?」

USJの地図を見せられ

入口を示す

塚「ワープゲートに移動させれたとき
  どこに飛ばされたか教えて?」

『火災ゾーンに飛ばされました
 そこからは尾白くんと共闘して脱出しました』

「その際大爆発を起こしたせいでケガ人が大勢だ!
 下手したら人を殺してたんだぞ!」

机を思いっきり殴って

私に向かって怒鳴る厳つい顔のおっさん

それからは

何故生徒のくせに

プロヒーローであるイレイザーヘッドを助けに行ったのか

オールマイトが苦戦して勝った脳無に

何故余裕で勝てたのか

『何が言いたい』

私を“A級危険人物”としてしか見ていない警察を

睨み付ける

そして

敬語を外した私に

「大人に向かってその口はなんだ!」

と怒鳴り

私の頬を握りこぶしで殴った

しかし

それに対して

プレゼントマイクも塚内さんも怒り

塚内さんに至っては

その場でその警察に手錠をかけていた

塚「暴行罪です」

出入り口に居た警察に連れて行かせて

再び席に座った塚内さん

プ「痛くないか?」

口の中が切れて血の味がする

この世界の怒り狂った人間は

時々覇気を纏ってるかのように

私にダメージを与える

物理攻撃無効のはずなのに

しかし

今の私を心配したプレゼントマイク先生の声は

ひざしにそっくりだ

消太が病院で入院してる今

私が頼れるのはひざししかいなかった

なのにひざしが来てくれない

消太を見捨てた私に怒ってるのだろうか?

塚「嫌な思いをさせてしまい申し訳なかった」

深々と謝る

別にそんなのどうだっていい

塚「最後に聞かせてくれるかい?」

その声に答えるように

塚内さんの目を見る

塚「君はどんなヒーローになりたいんだい?」

どんなヒーロー?

『誰でも助けられるヒーローに』

『親を亡くして哀しむ子供がいなくなるように』

『そして』

『私を愛してくれる消太とひざしに誇れるヒーローに
 私はなりたいって思ってます』

前世で掲げていた『平等な正義』

達成しきれなかったから

もう一度生を受けたこの命をかけて

今度こそ成し遂げたい

隣でプレゼントマイク先生が泣いてるのは無視だ

塚「ご協力ありがとう」

教室に帰って席に座る

グリンッと音がしそうな程

私の方に向きを変えた勝己に驚きつつも

『さっきの質問の答えは私が言っていいものか判断できないんだ』

爆「てめぇの事だろうが」

ブ「氷水気主人公の名前の事を話すことは校長先生が禁じている」

切「主人公の名前ってワケあり?」

皆の視線に申し訳なるけど

別に私としては

バレても構わないと思ってる

そして

少し空気が重いまま

保護者がむかえに来れる人は迎えに来てもらい

迎えに来れない人は

プロヒーローに送られて帰って行った

私は保護者であるひざし待ちだ

山「主人公の名前!待たせたな!」

余程慌てて来たのか

髪がぐちゃぐちゃに結ばれていた

山「頑張ったな」

襲撃にあったことを指してるのか

敵と戦ったことを言ってるのか

それとも

事情聴取のことを言っているのか

分からないけど

ひざしに抱き付いた

『ひざし!消太が・・・・』

山「聞いてる 明日見舞いに行こう」

『私合わせる顔が無い』

本当にそうだ

ひざしに抱きしめられたことで

やっと安心した私の頬を涙が伝う

ひざしは静かに私を撫でて

家に着いたら

私は今日一日の疲れが出たからか

お風呂に入ると

コンビニで買った晩ご飯も食べずに眠りについた
































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