僕のヒーローアカデミア


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そして

“最下位除籍”を掛けた個性把握テストが始まった

私だけ

相「氷水気は1位じゃなかったら退学だ」

なんて言われてしまった

特待生合格したからにはそうだよね

1位以外の順位を取ったら退学って

最初に貰った資料に書いてあったもんね

うん

そんなこんなで始まった測定

50m走はアクアジェットでぶっ飛び2秒36

一緒に走った勝己くんに睨まれた

『なんでそう睨んでくるのさ』

爆「俺より強いのは気にくわねぇ」

『強いって 当たり前だろ 入試一位取ってないと
 私は入学できなかったんだから』

握力は水圧を使って389kg

爆「ゴリラかよ」

『負け犬の遠吠えか?』

立幅飛びは空気中の水分を集めて固めて空中歩行をするイメージ

月歩でも良かったんだけどそれだと疲れちゃうから無し

結果は∞

基本的に私の能力にキャパはないから

欠点はあるけど

反復横跳びは空気中の水分を集めて地面を水浸しにして

滑るように往復したら100回は越えた

そして

ボール投げ

普通に投げたあとアクアジェットの要領でボールに水を押し当てて

飛距離を伸ばしたら1km飛んで行った

私のすぐあとの緑色の髪の少年

今までの記録を見ていたけど

大した成績を出していない

ただの一般人が鍛えましたぐらいでしかない

飯「緑谷くんはこのままだとマズいぞ・・・?」

あの子緑谷くんっていうんだ

爆「ったりめーだ 無個性のザコだぞ!」

『勝己くんの知り合いなんだ』

爆「勝己くんいうな!幼馴染みだ」

というか無個性か

この世界じゃ珍しいものだよね

でもさ

“個性”って何でもありじゃん?

色んなとこに旅行させて貰ったから

なんとなくの予想だけど

個性を“譲渡”する個性とか“奪う”個性とかあってもおかしくないよね?

ボーっと緑谷くんの事を眺めてみる

緊張してるのか顔がこわばってる

決意したのか大きく腕を振りかぶってボールを投げた

その時に腕に光が走った様な気がした

だけど

それは消え

《46m》

空しく機械の声が聞こえた

驚いた表情の緑谷くん

緑「な・・・今確かに使おうって・・・」

掌を見つめる緑谷くんに

相「個性を消した つくづくあの入試は・・・合理性に欠くよ
  お前の様な奴も入学出来てしまう」

そこには髪を逆立て目を充血させた消太の姿

消太の個性は“抹消”

見た者の個性を消す事の出来る個性

瞬きすると解ける

消太は首に巻いてある捕縛武器で緑谷くんを引き寄せると

緑谷くんにしか聞こえないように何かを話していた

飯「指導を受けていたようだが」

爆「除籍宣告だろ」

そんな話をしているのを横目に

緑谷くんを注目していると密かに口が動いていた

そして

大きく振りかぶって投げた

今度は腕ではなく人差し指だけを光らせて

投げ終えた緑谷くんの光ったはずの人差し指は

痛々しく腫れ上がっていた

あの色と血の出方

指の骨が砕けたか?

緑「まだ 動けます」

痛いのを我慢しながら握りしめ消太に向かって言った言葉

それを緑谷くんは笑いながら言い切ったのだ

麗「やっとヒーローらしい記録出したよー!」

喜ぶお茶子ちゃん

爆「どーいうことだこら!ワケを言えデクてめぇ!!」

怒る勝己くん

ん!?

なんで君怒っちゃってんの!?

指折ってる子にケンカ吹っ掛けちゃダメでしょ!

急いで勝己くんの手の平に水を集めたけど

それはすぐに地面にベチャっと音を立てて落ちた

止めようとした勝己くんには消太の捕縛武器が巻き付いていた

爆「ぐっ・・・んだ、この布・・・固っ・・・!」

相「炭素繊維に特殊合金の同線を編み込んだ“捕縛武器”だ
  ったく何度も個性使わすなよ・・・」

そうそう良い個性なのにね・・・

相「俺はドライアイなんだ」

(((((((個性凄いのにもったいない!!))))))

なんとなく皆の心の声が一致した気がした

相「時間がもったいない 次 準備しろ」

髪が降りた消太がそう言った

『えっと緑谷くん・・・?』

緑「はははひ!」

人と話すのに慣れてないのか?

『治すから手見せて』

緑「治せるの!?」

『まぁ個性の応用で』

相「おいそう言うこと聞いてねぇぞ」

『初めて言ったから』

緑谷SIDE

僕の手を見て治療してくれると言った氷水気さん

女子に手を握られるなんて初めてで緊張する!!!

治療しようとしてる事に気付いたのか

相澤先生も近寄って来て

相澤先生と氷水気さんの会話は

教師と生徒って感じじゃない・・・?

ってヒッ!

視線を感じたと思ったらかっちゃんに睨まれてた

なんで!!?

さっきのことをまだ!!?

相澤先生に止められたから終わったんじゃないの

氷「ちょっと動かないで」

そう言われて視線を外すけど

かっちゃんからの視線がグサグサ刺さる

水を集めて指先がヒンヤリしたと思ったら

指が綺麗に治ってた

『わ!治った!』

氷「私の個性は水を操れるんだ
 人間の体も60%は水分で出来てるから
  少しばかり細胞を活性化させただけ」

回復速度を上げただけという氷水気さん

氷「本来なら“治癒力の活性化”とそんな変わらないんだけど
  疲労回復も同時に行ったから疲れはないはずだよ」

相「緑谷 疲れはないのか?」

『え、はい さっきとなんも変わらないです』

そう答えると氷水気さんは満足そうに笑った

氷「ね!私凄いでしょ!」

そう言って相澤先生にドヤ顔をしてた

相「はいはい凄い凄い」

投げやりな相澤先生に

氷水気さんは頬を膨らませた

え?

待ってそれはダメ

拗ねた様な表情の氷水気さんは

小さめの身長だからか

可愛い

ってなにを僕は!

『あ、えっと氷水気さん 治してくれてありがとう』

氷「・・・・・ん、あ私か
  どういたしまして 困ってたら助けるのがヒーローだからね」

そう言って笑った氷水気さんが輝いて見えた

氷「あ、そうだ 苗字で呼ばれ慣れてないから
主人公の名前って呼んで」

いきなり名前呼び!!!?

『あ、えっと その えっと』

僕の慌てる様が可笑しかったのか

氷水気・・・っ主人公の名前ちゃんは

クスッと笑った

氷「慣れないなら苗字でいいよ 反応が遅れるだろうけど」

その言葉に安堵した

苗字が呼ばれ慣れてないって

最近苗字が変わったのかな?

なんて不思議に思いながら

相澤先生に促されて

次の競技の準備を急いだ

緑谷SIDE END

上体起こしは自分の中の水分を操って

腹筋に乳酸が溜まらないように操作して120回はいったかな

長座体前屈はスモーカーと一緒で

体を水に変えることが出来るから

それを使って500mを叩きだした

爆「蛇女」

『なぁに?負け犬ちゃん』

持久走はアクアジェットを連続使用して

1位で通過した

相「んじゃパパっと結果発表」

除籍や退学の掛かった結果発表をそんな軽くするなんて

恨めし気に消太を睨んでたけど

標示された順位表に目を移す

一番上に書かれた“氷水気主人公の名前”の標示に安堵して

一番下に書かれた“緑谷出久”の文字に

緑谷くんを見る

相「ちなみに除籍はウソな」

・・・・・・。

ウソ・・・?

相「君らの最大限を引きだす 合理的虚偽」

クラスの半数が絶叫を上げる中

八「あんなのウソに決まってるじゃない・・・
  ちょっと考えればわかりますわ・・・」

百ちゃんの発言

いやいやいやいや

絶対本気だったって

絶対!

相「そゆこと これにて終わりだ
 教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ」

そういうと相澤先生は去って行った

去り際に緑谷くんに紙を手渡していた

相「氷水気が治したが一応ばあさんに見てもらっておけ
  明日からはもっと過酷な試験の目白押しだ」

途中で私を見たかと思ったら

相「氷水気も付いて行け」

と言われた

氷水気・・・・

『・・・・・・あ、はい』

相「いい加減自分の苗字に慣れろ」

『名前で呼ばれたい!』

呆れた顔をした消太に抗議したけど

シッシッと追い払われた

犬じゃないよ

犬じゃないんだよ・・・

緑「えっとひす・・・主人公の名前ちゃん 保健室行こ?」

緑谷くんに言われるがまま

私は保健室へと向かった

リ「うん 異常はないよ 本当に折れていたのかい?」

プロとして活動してる人にお墨付きを貰えた事に

感激する

『それは良かった!失敗したら壊死しちゃうんですけどね』

緑「壊死!!?」

リ「そんなものを生徒に使うんじゃないよ」

『失敗なんて最初ぐらいですよ 今では楽勝です』

リ「じゃあたまには私の手伝いをしておくれ」

『A組怪我しそうな人が多いんで
 A組だけでもいいですか?』

リ「そうさね A組をお願いしようかね」

緑谷くんを保健室に連れて行ったら

私がA組の治療担当になってしまった
































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