僕のヒーローアカデミア


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あれからやっと10年経って

14歳

即ちコウコウジュケンというものをする年になった

10年前消太とひざしとは

施設側が許してくれず会わせて貰えなかった

施設にはいつの間にか雄英高校から

“児童養護施設特別対策特待生試験許可証”

という長ったらしいものが送られてきていた

数年前から始まったこの制度は

児童養護施設を対象に

試験を受けさせて合格基準に適したものを

学校側が資金面の補助をして

高校に通わせてくれる

というものだ

今の所雄英高校でしか実施されていない

受験をする子供は結構多い

“無個性”といわれる何も能力を持たない子が

唯一ヒーローに近い所で学べる機会

毎年沢山の子供が受け

数人しか合格者は居ない

全て普通科しか合格者が居ないのが残念な所だ

私もこの制度を使って雄英を受けることになっている

前世の記憶も相まって

勉学の方はめったに褒めない園長先生が

「まぁいいんじゃない」

と言うぐらいには頭がいい

それに元海軍の意地というか

戦闘能力もあるわけだから

私は初めての児童養護施設からのヒーローとなるべく

ヒーロー科を受けることにした

まぁそんなこと言ってる間に

マ「今日は俺のライヴにようこそー!!!
  エヴィバディセイヘイ!!!!」

雄英高校ヒーロー科の一般入試実技試験の会場に居る

ヒーロー科に入るためには

他の学科も含めて全てで一位を取らないと入れない

なんて鬼畜な制度があるから

私は今

この学校にある

経営科 サポート科 普通科 ヒーロー科

の学科全てを受けている

あぁちなみにいうと

経営科とサポート科は試験が終わって

結果も発表されている

もちろん1位

普通科の筆記試験も一昨日終わって

ヒーロー科の筆記試験は昨日だった

あとはヒーロー科の実技試験が終われば

受験とおさらばだ

ちなみに児童養護施設には

制服なんてないから

白いTシャツに黒いズボンという

私服にしか見えない格好で受けております

まぁこんな感じで脳内ナレーションしてる内に

実技試験の説明は終わり

試験会場に移動

移動する時になんか乗り物に乗ったけど

あれがバスっていうのか?

そして

ついたのは“試験会場G”

周りにいる受験生を見渡す

見聞色を巡らせて強そうな子を探すけど

めぼしい奴はいない

『70・・・・80取れれば最高点行くか?』

軽くストレッチをしながら

門のラインの様な所で準備する

とりあえず

中に入ったらさっさとポイント稼ぎますか

そんなことを首から下げた紐の先の

玩具の指輪を弄りながら考えてたけど

隣に立った男の子がなんだかやる気が無さそうだった

『どうしたのさ 暗い顔して』

「別に 俺にはこの試験内容が不利だってことだけだ」

『不利?だったら戦わずに人助けでもしてればいいよ』

「は?」

『ヒーローは人助けが資本だぞ?』

そういうとただ前を見つめていただけの彼は

私の方を向いた

紫色の髪に驚くほど濃い隈

「それが俺の残された道ならやってみるのもいいかもね」

『私は主人公のナマエ 私の隣で人助けでもする?少年』

「そうさせて貰おうかな」

薄く笑った彼に拳を突きだしたら

コツンと合わさった

うんいい感じだ

そのまま合わさった拳を握る

そろそろ合図が鳴るだろうから

マ《ハイスタートー!》

掛けられた合図に一気に水の能力を使って突き進む

隣の彼は心底驚いてるらしい

前世から慣れた能力

たった14年生きた子供に負ける気はしない

1秒もかからず試験会場の真ん中あたりについた

『(流石中心ロボットが大量にいやがる)』

「おい」

『しばらくは私から離れないでよ』

そう言って

狙い通りに大量にいた周りのロボットに狙いを定める

指を銃の形にして

『“ウォーターガン”!!』

「ただの水鉄砲じゃないか!」

少し伏せるというか

頭を守るようにしゃがんだ彼が声を掛けてくる

『いいじゃないかヒーローはカッコイイお仕事なんだから!』

正直久しぶりに能力を思いっきり使えるからか

もともとの海軍の血が騒ぐのか

こういう戦闘モノは大好きで

テンションがHighになってる

しばらくして

ポイントの合計が70になった

私達の周りには70P分のロボットが転がっていた

『よし少年 レスキューだ!』

「やっと?」

そう言って少年が立ち上がったけど

周りを見渡してみろよ

やっと他の受験生が近くでポイントを稼ぎ始めた所だ

いつでも移動できるように

彼の手を繋ぎながら

見聞色を使う

『あぁそういえば君ってどんな能力持ってるの?
 ロボットとの戦闘に不向きってことは
 人を操る感じ?』

「その通りだ おれの個性は“洗脳”
 俺の問いかけに答えたら言いなりに出来る個性だ
 まぁ衝撃で解けたりするけど」

『対人戦闘には持って来いっていうか
 挑発とかしとけば大抵答えるから
 最強じゃん めっちゃ強いね君』

そう言ったあと

何故か彼から何も返事が無かった

はて?

気に障る事言ったか?

なんて思ったけど

見聞色働かしてる身としては

私の手を強く握って

泣きそうになってる彼のことなどお見通しで

私はそれに気付かないフリをして

私達を襲おうとしてるロボットを撃ち倒し

腰が抜けて動けなそうな受験生を保護したり

ロボットが暴れて落ちて来た瓦礫に潰されそうな人を助けたり

まぁ一人でした方が効率は良いけど

人助けをしてる時

彼はイキイキとしていたから

私もなんだか部下の成長が見れたように感傷に浸ってた

そんな時に

建物を破壊しながら動き始めた巨大なロボット

「これが0Pヴィランか?」

『あの“ドッスン”とか言ってた奴か?』

「そうだと思う 避難するぞ」

『何言ってんのさ 敵に背を向けるヒーローがどこにいるってんだよ』

「お前」

『君はケガ人がいないか確認しながら
 腰が抜けてる奴とか避難誘導して』

「お前は」

『私はあいつをぶっ潰す』

少年に向かってVサインを見せる

正直大きさで言ったら巨人族ぐらいか?

でも

人ではないんだろ?

私は0Pのロボットに向かって駆け出した

今日の天気は快晴

湿度が高くないから大技は出せないかな

だけど

人の形に似せてるロボットってことは

頭を撃ち抜けば止まるだろ

周りの空気中の水分を集める

集めった水分は一ℓ程

まぁこれぐらいあればマシか

砂漠でなんて少しも集まらなかったから

集まった水に回転を加える

形を銃弾の形に整える

よしもういいかな

掌で水を押しだすように0Pロボットに向かって押し出す

『“アクアバズーカ”!!!』

一瞬でロボットの頭にぶつかって

中ほどまで進んだ水の大砲

“パチンッ”

私が指を鳴らした合図でロボットの頭が激しく揺れると

ロボットが動かなくなった

生物じゃないから見聞色がイマイチ役に立たないけど

もう動かないでしょ

私を見ていて呆然としていたのか

近くでアホ面晒してる人達を置いて

私は入って来た門に向かって足を進めた

その途中で

マ《終了〜!!!!》

試験の終わりが知らされた

しばらくして前から少年が駆けて来た

「お前やっぱ凄いな」

『ケガ人とかの誘導は出来たみたいだね』

「これでポイントが出ないなんてことになったら
どうしてくれるんだ?」

『その時は君にポイントを分けてあげよう』

「スッゲェ自信」

『その位自信がないと君を誘ったりしないさ』

「それもそうか それに君の戦いを見て思ったよ
 君は本当に強いって 誘ってくれてありがとう」

『私こそありがとう』

「じゃあ またな 主人公のナマエ」

そういって少年は去って行った

私も持って来たなけなしの筆記用具を取りに校舎に戻って

雄英の校門を出る



そういえば一緒に試験を受けた少年の名前

私聞いてないや

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・まぁ 

入学したらヒーロー科に居なくても

普通科に入学してるだろ!




















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