幸せの蒼 U

□【41】デート
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親父へ報告を済ませ部屋を出る瞬間、
「気をつけて”帰って来い”よ。」なんて意味深気に言われた。

きっとナースあたりに聞いたんだろうがそんな事言うのは珍しい。

船の連中はモナの事となると揃いも揃ってこうだから困る。


(まったくよい)


人の事言えた太刀ではないのだが、この俺がモナを連れて帰らないとでも思ってるってのか?

思わず出た溜息の後、親父の豪快な笑い声が部屋の中へと響き渡る。


「わかってるよい。」


そうしっかり告げて俺は甲板へと足を向けた。


”あわよくば今晩”


なんて少なからず思わなかった訳じゃねぇんだけど。

そんな事は二の次。

そういう事をしたく無い訳が無いのだが、そういう事すらしなくて良いほど、ただ側に居てさえしてくれればそれで良いと思ってる。

モナは今まで出会ったどの女とも違う。


大切にしたい。



「つーか信用ねぇのかよい。」



悪態を吐きながらも食堂を通りかかると、今度は煙管を蒸すイゾウと煙草を吹かすサッチがニヤニヤしながら座っていた。



イ「おうマルコ。行くのか?」

マ「あぁ。」

イ「土産なら酒な。」

マ「そんなんてめぇで買えよい。」

サ「ふっふっふっふ。マルコ〜、お前モナちゃん見たら度肝抜かれるぜ〜?」

マ「あ?何だコイツ気持ちわりぃ。」

サ「おぉぉぉぉぉいっ!!失礼だぞっ!!!」

イ「はっはっは。まぁ外に出りゃ分かるさ。もう待ってるぞ。」

マ「?あ、あぁ。」



そう言ってドアに手をかけると、



サ「マルコ、」

「?」

「「気をつけて”帰って来い”よ?」」

「・・・・#」



どいつもこいつも本当に。



「わかってるよい。」
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