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□おもしれえ
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「おい御幸、先に部活いっとくぜ」


「ああ、スコアブック見てから行くわ」

倉持にそう伝え俺はスコアブックを見てから部活へと向かう


下駄箱へ向かう途中


「御幸せんぱぁーい!!」


あー、この数人からの女の子達の声は


またか


「御幸先輩、これ読んでください!」


「んあ、あー、どうも」


これで何回めだよほんと


手紙いらないっていったら
すごい傷ついた顔で泣く子がほとんどだから俺はそう言いながらも受け取る


「きゃー受け取ってもらえた//」


そういって女の子達はどこかへ行ってしまった


ふぅ…とひと息ついたその時
俺が振り向いた方向に、
昨日だっただろうか
俺が打ったボールに当たりそうになってた女の子がいる


「花梨ちゃんじゃん」


「こ、こんにちは」


今帰りなのかと聞くと
なぜかこの子は俺に目線を全く合わせず避けたような感じで
すぐに帰ろうとする

「じゃあ、さようなら」


こらこら

今さっきの状況見てたよな?

手紙いっぱいもってさ
驚きとかなんもないわけ?


なんとも思わないわけ?


「もてるんですねーって言ってほしかったのに」

試しに冗談でドヤ顔で言ってやった


そしたらこの子は


は?

という顔でこちらを見ながら答えた言葉が


「もてるんですねー」


なんだその棒読みは


色々と頭で考えてると逆に面白くなり笑いが込み上げてきた


「ぶはっ!!」



え?え?
と花梨ちゃんは
おどおどしてる


なにこの子
かわいー…

今までに見てきた女の子でないタイプの子だな


俺は少し興味がでてきた


「花梨ちゃんさ、野球部のマネージャーやりなよ」


この子がマネージャーになってくれたらさらに部活が楽しくなる


俺は勝手にそうだと確信し
花梨ちゃんをマネージャーに誘った


切実に入ってほしい

そう思った


「待ってるから」


つい出たその言葉は俺にも無意識な状態だった

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