跡部

□遠慮
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前の二人にしばらくついていくと

目の前に見えてきたもの
それは



テニスコートだった

「着いたで」

「ん?どうしたんだ、ぽかーんとして」

「あ、あの…先輩達ってもしかしてテニス部なんですか?」

「せやで」

し、し、しまった………

よりによってテニス部だったなんて


よくみたらどうみてもこの人たちテニスしてるような格好してるし

なぜ気づかなかった私。

バカヤロウ


「お嬢ちゃんどないしたん?」

「いえ別に何も…」

だめだ、逃げよう
もし跡部先輩に見つかったらまためんどくさいことになりそうだ


「あの、私やっぱり…」

「ちゃんと来たようだな」


帰ろうと考えたその瞬間、後ろから聞き覚えのある声がした

そう、私の予感は的中した

「おう跡部、こいつクラブ見学だってよ」

でた、跡部景吾……!!


「ああ、知ってる
俺様が呼んだからな」

あなたに呼ばれたから来たんじゃないから!!
完全に私のミスだから!!


そう言いたいところだけどここはぐっと我慢しよう…

「なんや跡部、知り合いやったんか?」

「まあな、おい花梨こっちに来い」

「な、なんですか…?」

「いいから来いって言ってんだろーが」

どうせ反抗しても無理に連れて行かれるんだろうな…

だったら最初から大人しく言うことを聞くことにした


「お前を紹介してやる」

「ん?紹介?」

連れてこられた先にはテニス部員であろう人たちがコートでテニスの練習をしている光景があった


「集合!!」

跡部先輩の言葉で今までテニスをしていた部員達がいっせいにこちらへ集まってくる


な、なになに…?!
いったいなにが始まるの?

「こいつは今日から入るマネージャーだ」

「……へ?」

私は最初この人が何を言ってるのか分からなかったが
すぐに理解をした

ちょっと待って、今日から入る?
誰が入るって言ったよ?!

「お、新しいマネージャーか
よろしくな!」

後ろに髪をくくったロン毛の人が言う


「ちょっと待ってください、私まだ入るなんて言ってません。」


「なんや違うんかいな、跡部が言うてるだけなんか?」

「そ、そうです…!」

「あーん?俺様が入れって言ってんだぜ、入らない理由がどこにある」

ほんとこの人何様なわけ…
信じられないありえない

「部活は真剣に考えたいので、失礼します。」

そういって私はダッシュで走って去った
いや、正確には逃げた


「はーっ、はーっ…」

よし、ここまでこれば…

あーびっくりした
いきなりあんなこと言うんだもん

ほんと無茶苦茶な人だよね



…でもちょっとあの去り方は失礼だったかな?

絶対テニス部の人も驚いてたよね

二度と戻れない…

いや、戻らないけど!


「今日はもう帰ろう…」

そう言って帰ることにした。
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