でぃばげ

□This is cute girl!
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私の恋人のオズは、いつも女の子に囲まれていて、別次元の世界って感じがする。

私はオズと付き合って結構お互いのことを分かり合えたつもりでいたけれど、それでもオズを囲む可愛い女の子達にはどうしても嫉妬してしまう。

オズだって好きで囲まれてるんじゃないのは分かってる。だからこそ、そんなことで嫉妬する私が嫌で嫌で、オズを困らせたくなくて、ついつい冷めた態度をとってしまう。

このままではまた一緒だと、せめて目に入れないようにしようと席を立った私は、親友のレイニィと雑談に花を咲かせていた。

「オズのところ、行かなくていいの?」
「うん、大丈夫」
「どこがよ....、ひどい顔してるよ、あなた」

本当は、悔しくて悲しくてそんな事で嫉妬する私が嫌で嫌で顔がすごい風に歪んでいたと思う。レイニィは溜息をついて私に何かを言おうと口を開いて....、閉じた。
その時、後ろから「ミア」と声がかかる。振り返れば、困った顔をして道化竜が立っていた。

「ごめんね、レイニィ。ミアちょっと借りるね」
「大丈夫よ」
「えっ」

彼の、火属性のせいで無駄に暖かい温度を肩に感じながら部屋を出る。部屋から出る時にレイニィをチラリとみれば、もう涼しい顔をして携帯をいじっている。

くそぉ、レイニィめ。

帰ってきたらシメようと、何故か浮き立つ心を抑えながら向かったのは人気のない教室だった。

「ここで良いですかね」
「オズ?一体何を」

ん、と唇に暖かい感触があたる。目の前に見えるのはオズの整った顔で、今私はオズにキスされてるのだと頭をフル回転させて感じる。

口づけはどんどん深くなっていく。次第に私の口元から2人の混ざった唾液が垂れる。苦しさに胸を叩こうと私が拳を握った時、静かに唇を離してオズは私を抱きしめた。

「愛しています、ミア..」

えっ、と慌てふためく私をよそに、オズはそれからも「好き」だの「愛しい」だの「結婚しましょう」と殺し文句を口にする。

「オ、オズ、大丈夫、もう大丈夫」
「ミア、寂しい思いをさせました。すみません」

私が彼に嫉妬していたことを感じてなのか、抱きしめる力をさらに強くして私の肩に顔を埋める。

「大丈夫だよ」

オズの髪に手をかけながら、私は言う。

「確かに嫉妬もしたけど...」
「嫉妬したんですか!やっぱり!」

え、と思った。そして、自分の失言に気づく。

違うの、これは。そう言おうとして開いた口はキスによって塞がれた。

唇が離れれば、可愛いです、嫉妬するなんて可愛いと言って抱きしめる。

「かわいくない!」
「いや、可愛いですね、僕の愛する人ですから」

さり気なく口説き文句を入れながら、可愛くない、恥ずかしいと暴れる私を押さえ込んでキスをする。

道化竜は「可愛い人ですね、本当に」そう言ってから、ミアを強く抱きしめて微笑んだ。

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