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□60:セイ春だねぇ。。〜原side〜
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「原君セクハラが過ぎるとハサミで前髪ぱっつんにするよ」


何回かなまえチャンに注意されたけど懲りずにいたら静かにハサミを持って俺を見上げて来た時は、身の危険を感じて逃げたよね。
前髪切り過ぎた系男子はイヤ。
子供をあしらう様な大人な対応をするなまえチャンが好き。
でも、泉真館との試合以降は事務的な対応。理由は分かってるけどさ、ツマンナイんだよね。
その後、誠凛に負けてなまえチャンはバスケ部を去った。



「高橋さんなまえチャン元気?」
「……どーいう意味で?」
「中身的な意味で。女の子は分かりにくいからさー、男は分かりやすいのに」
「それは、なまえちゃんの言葉を借りて言うと、セクハラってやつ?」
「違う。あ〜セクハラって久しぶりに聞いた〜。なまえチャンから聞きたい」
「変態か」
高橋さんが1人で居たので話し掛けた。彼女はキセリョ以外のイケメンは興味無いのか俺に冷たい。なまえチャンの友達はなまえチャンに似てる。
「私的にはザキと距離感あるなまえちゃんが気になるんだよね。前みたいに仲良くして欲しいなぁ」
「えー?」
「ほらアイツ、なまえちゃんの事好きじゃん」
「知ってる。態度で分かるよね」
「見た目と違ってヘタレだし」
「ドーテーだしね」
「何かきっかけあればいいんだけどなー」
「何を言っても動じない高橋さん俺好き」
「ん?何か言った?」
「…俺の声は君には聞こえない様になってんの?」
可哀想な扱いを受ける俺。
するとなまえチャンが小走りでコッチに来た。俺を見て複雑そうな顔をする。
「すずちゃんお待たせ」
「うん。あれ、飲み物2つ買ったの?」
「最初に押し間違えちゃって…すずちゃん飲む?」
「ごめーん私それ飲めない。……あ!それザキ飲むやつじゃん!渡して来たら?」
「え…そうなんだ、う〜ん…」
俺の存在を無視して会話する2人を傍観する。高橋さんの魂胆は分かる。思い悩んでるなまえチャンが不意に俺を見た。
「……原君、これ山崎君に渡しといて?」
俺に飲み物を渡すと、お願いしますと小さく頭を下げて高橋さんの手を握り廊下を歩いて去ってしまった。

俺が飲んでやろうか…!
そう思ったけど俺も飲まないヤツなのでザキに渡す事にする。

部室で練習着に着替えてるザキにプレゼントと言って飲み物を差し出す。
「は?」
「女の子から、ザキに渡してって」
「……誰だよ」
「いーからー。はい」
「それ、飲んだ事ないんだけど」
疑いの目で飲み物を見るザキは受け取ろうとしない。
「まあ、実際は間違えて買っちゃったみたいだしね〜。ザキが飲むよって高橋さんが言ったからなまえチャンが、」
なまえチャンの名前を出した途端、脱兎のごとく俺の手から飲み物を奪い取る。…何なのお前。
「みょうじが俺に……」
飲み物を赤い顔しながら見ている。表情よく変わるヤツだな。
「間違えて買ったって言ったじゃん」
「でも俺に渡してって言ったんだろっ」
「俺が飲むって言ったら俺のもんになってた」
「俺のだ!」
飲み物一つで必死だなオイ。そんなに嬉しいんだ。青いね〜。
そんなやり取りから少ししてザキはなまえチャンと仲直りした。きっと高橋さんが何かしたんだろうね。パネェな。今度から姉御って呼ぼうかな。殴られそう(笑)
ウィンターカップ誘えばOKしてくれるかな?その役目は俺じゃないけど。一緒に行ければ良いのに。
ガムを膨らませていると花宮が前に居た。
「お〜い花宮〜っ」
俺の呼び掛けに振り向く花宮の顔は不機嫌そのものだ。
「お前帰りこっちじゃねえだろ」
「いーのいーの。それより良かったねザキ」
「関わらないって言って関わる辺りみょうじの考えは分かんねぇ」
「え?単純にまた仲良くしたくなったんじゃない?誰かさんみたいにひねくれたコじゃないし」
「ちっ。イイ子ぶりやがって」
「花宮もどーゆーつもり?ウィンターカップ観に行くって珍しいんだけど」
「木吉のバカが潰されんのを観てえだけだ」
本当にそれだけなんだか…。花宮の考えは良く分かんない。

なまえチャンが居ないとツマンナイって思う俺も頭ん中ババロア詰まってんのかなー。

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