main

□42:一泊二日
1ページ/1ページ


林間学校に行く事をすずちゃんに伝えたら凄い喜んでくれた。
私も嬉しい。
花宮君には、別にマネージャーは強制参加じゃないけど?と仰いましたがね。すずちゃんと参加しますけど?勘違いすんなよ…なんて言葉は飲み込んで、せっかくだから参加するとだけ伝えた。


当日の朝はグラウンドに参加人数に応じて大型バスが数台停車していた。
全学年だからなのか参加者が多い。
いや、全校生徒数よりかは大分少ないとは思うが。


「学年別クラス別でバスに乗って下さーい!参加者の少ないクラスは席の空いてるバスに乗って下さいねー!」

校長先生の話の後、引率の先生が生徒達を促す。
ウチのクラスの乗るバスは何席か空いてので、他のクラスの生徒達が数名乗り込む。
「やっぱ、3年は参加者少ないね」
「受験とか就職とかあるからね」
すずちゃんが、3年生のバスを眺めながら口を開く。
「1番多いのウチらの学年だし」

見て隣のバスと親指を立てて窓の外を指す。
隣のバスは原君と瀬戸君のクラスだ。原君を中心に女子が周りを囲む形で座っていた。
「あいっかわらずのチャラ男ぶり」
すずちゃん失笑。
ふと、原君が私達を見た。
バッチリ目が合うとヒラヒラと手を振る。
一応控えめに手を振り返した。
すると原君を囲んでいた女子数人に睨まれてしまった。

「こわっ…。」
すずちゃんの一言と同時に私は手を下げて視線を逸らす。
「睨まなくてもいーじゃんね〜」
「うん…」
やはりあの体育祭が尾を引いているのか、気に入らないと思う女子も居るんだろうな。

「あ、古橋君こっちのバスに乗るんだ?」
「ああ、女子がほとんど隣のバスに乗り込んだからな」
通路側の席に座っていた すずちゃんが古橋君を呼び止めた。
「古橋君おはよう」
「おはようみょうじさん」
「1組参加者少ないね」
「そうみたいだな」

「おっ、古橋こっち座れよ!」
後方の席に居る山崎君が空いてる席に古橋君を誘う。
「じゃあ、また後で」
そう言って古橋君は山崎君の方へ向かって行った。


参加者が全員乗り込むのを確認して花宮君と先生が最後に乗り込む。
目的地に着くまで、すずちゃんとおしゃべりしたり他のクラスメイトとお菓子の交換などをしながら移動時間を楽しんだ。


***

目的地のキャンプ場に着く頃には少しだけ陽が傾いていた。
お昼は途中の休憩所でとった。
夜のBBQ大会まで 暫しの自由時間。
決められた女子用の部屋に荷物を置いてキャンプ場を探索する事にした。
「なまえちゃん川辺行かない?メッチャ綺麗なんだよー」
「いいよ。でも寒いから濡れない様にね」
「やっぱ水冷たいかな〜?去年は、そうでもなかったんだけどさ〜」
「入ったんかい」
去年は分からないが今日は意外と寒い。
川の水も冷たそうだ。

出入り口に向かう廊下を歩いていたら、山崎君と花宮君が居た。
「みょうじ!高橋!お前ら川辺行くんだろ?俺達と一緒に行こーぜ」
「いいよ」
「古橋と原と瀬戸も来るから」

「お〜い」

「お。来た来た」
3人と合流して、私達は川辺へと向かった。

…目立つ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ