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□19:二学期
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まだまだ暑い日が続く中夏休みも終わり新学期がスタートした。
私は、ヒィヒィ言いながら夏休みの課題を何とか済ませた。
「お前バカだから夏休みギリギリで終わらしたろ」
委員長の花宮君に課題を渡した時に小声で嫌味を言われた。頭をはたきたくなった。やらないけど。
クラス全員の課題が集まった後
花宮君が黒板に何やら書き始めた。皆がそれに注目する。
【体育祭の種目選びについて】
チョークを置くと此方に向き直る。
「来月 開催される体育祭の種目に参加する人数を決めたいと思います」
ザワつく教室。
副委員長の女子が種目別に黒板に書きだす。
「どれに出たいか今から考える時間を10分設けるので決めましょう」
花宮君の合図にそれぞれ席を立ったり隣同士で話しだす。
私の所にすずちゃんが来てくれた。
「なまえちゃん どーする?」
「出来るだけ楽なのがいいかなぁ」
黒板をもう一度見てみる。
「障害物競走楽しそう」
「すずちゃん やる気満々だね、綱引き選ぼうかなぁ」
「最終、他力本願に頼る気満々でしょ!」
2人で会話してると 直ぐに10分経ってしまった。

全員参加の競技は仕方ないとして自由参加の競技は出来るだけ希望通りにしたい。
「それでは希望する種目に挙手して下さい」

次々に種目別に手が挙がる。
すずちゃんは障害物競走に手を挙げて希望者が少なくて直ぐに決まった。
私は勿論、綱引きに手を挙げた。
予想通りというか希望者が多くてジャンケンで決める事になった。

………負けました。


あれから、希望の競技には参加出来ず皆が恥ずかしがってやりたがらない二人三脚になってしまった。男女で肩組み合って走るとか何の公開処刑だよ、辛い。
「なまえちゃんドンマイ」
すずちゃんに励まされたが辛い。


***

「体育祭の注目競技って言ったら棒倒しと部活対抗リレーだよね」

「棒倒しって学年別で男子がする奴か」
昼休みの時間帯、すずちゃんがそう言うので返事を返す。
「特に人気のある男子への声援はヤバイよ。去年は花宮君とか原君とかの声援凄かった。今年も多分そうかも」
「へえ….、原君にも」
「アレよ、遊び人だからね」
すずちゃんの言葉に納得。

「ちょ、持ち上げといて落とさないでくんない?」

いきなり原君が顔を出し割って入る。
「うわ、ビックリ。ザキなら食堂だよ」
「俺がいつでもザキに用事ある訳じゃないからねん」
「じゃあ花宮君?」
チラリと隣の席を見たが彼は居ない。
「さっきまで食堂でメシ食ってたよん」
「じゃあウチらに用事?」
「ビンゴ」
すずちゃんに向けて指を鳴らす原君。口を開けガムを膨らます。
「なんですか」
「なまえチャンのクラス青団っしょ?俺のクラスもー♪だからハチマキ交換っこしよっか」
「、え」
「ちょっと原君?」
「何かな高橋さん」
「ハチマキ交換はカップル限定のイベントでしょ!忘れたの?」
バンッと机を叩くすずちゃんに少し驚く。ん?カップル?
「知ってる知ってる」
「なまえちゃんとハチマキ交換はザキだからね!」
「う、うん」
「高橋さんのイケズー」
霧崎はそんなリア充イベントがあるのか、爆発モノだな。
ケラケラ笑う原君の周りに女子が集まりキャッキャと喋る。

「本当に人気あるんだね原君」
「アレよ、遊び人だからね」

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