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□12:私なりに頑張ってる
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午後の練習も何とか無事に終了した。慣れない場所でミスも何回あったけど小さいミスなので まあ良しとしよう。
晩ご飯の後片付けを済ませて
お風呂も済ませ、就寝時間までまだ時間がある。だが、私は既に眠い。途中 他の部員達からコンビニ行くけど一緒に行かない?トランプするけど一緒にしない?と誘われたが全てお断りして部屋で横になる。
明日も朝食前に練習だ。
電気を消して早めに寝る事にした。


***


今朝は、アラームが鳴る前に目が覚めて二度寝をしない様に顔を洗いに洗面所へ向かう。
冷たい水を顔に浴び、目が冴える。
部屋へと戻り着替えを済ませて食堂に向かう。
まだ誰も居ない食堂でドリンク作りを始めた。暫くして従業員の人達が出勤して来た。

ロビーに行くと皆が集合しており準備運動を済ませ体育館まで走る。私は走らないよ、ボトル運ぶから。
朝から太陽の照りつけ容赦ないや。心なしかタオルや着替えの服の量がいつもより多い。
洗濯大変。でも乾くのも早いから助かるな。畳むの大変だけど。

朝食後も練習を再開させた部員達を 前に花宮君に教えられたスコアを付けながら眺める。
「みょうじさんスコア見せて」
「はい」
花宮君が一通り目を通す。
間違ってないかドキドキしてきた。
「…いいぜ、この後も宜しく」
内心ホッとしつつスコアをまた付けながら練習を眺めた。

その日の夜。
全ての作業を終えて部屋に居るが
昨日みたいに直ぐに眠くはならず暇なので外を散歩する事にした。
だって海辺があるんだもの。
体育館とは反対の道から浜辺へと続く階段を降りる。
夜の海は少し肌寒い。
パーカー持って来れば良かった…。
さざ波を聞きながら水平線を見つめる。

「くしゅっん、」
思わずクシャミが出て鼻を押さえた。

「風邪引いても仕事休ませねーからな」

こんな悪態つくのは1人しか居ない。
「…花宮君」
振り向くと真顔な彼が両手をポケットに入れて立っていた。
「どうしたの?」
「あ?どーしたのじゃねえよ。就寝時間ギリギリだろうが」
「ごめんなさい、もう帰るね」
「ふん」
踵を返して戻る花宮君の後ろを歩く。
わざわざ探してくれたのだろうか?


翌日の空は曇っている。天気予報では雨が降るらしい。朝練と午前の間は降らなかったが、
午後練から降り出してきた。
体育館の窓から空を見上げる。
「雨の所為で湿気が〜」
原君がパタパタとシャツを揺らす。
「雨すげーな、ゲリラ豪雨?」
「帰りすげえ濡れるな」
「まあ、すぐ風呂入るし」
山崎君、原君、瀬戸君も空を見上げながら話をする。
民宿から傘を借りたが、こんなに降ってたら意味なさそう。
「帰り荷物持つから」
山崎君がボトルと洗濯物が入った籠を目配せしながら言ってくれた。
「ありがとう」
「俺も手伝う」
「古橋君もありがとう」
「え、じゃあ俺は何すればいいの?」
「何もせずに濡れて帰れば」
「どっちみち皆濡れるし」
原君の言う通り帰りは濡れたけど
ちゃっかり私が借りて来た傘を差して行った原君も結局濡れたねドンマイ。

ロビーで仲居さんがタオルを皆に渡してくれて拭きながら部屋へと向かう。
お風呂に入って身体を温めなくては。
自分用の部屋のドアを開け
「………」
固まる。

天井が大きな染みを作って水が滴り落ちてる。

雨漏りしてる、だと?!

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