main

□7:付き合う…?
1ページ/1ページ


部員の皆の名前をまだ全員把握してないから早く覚えなければ。
1年生は一通り覚えた。可愛いし。
スタメンの部員は1人は古橋君だったと思う。瞳に色がなくて能面みたい。原君は死んだ魚みたいっしょ?ってちょっと酷い事言ってたけど。
山崎君はいじられキャラらしい。
ボーッと居残り練習してる部員を眺めつつバスケの知識を得る為に参考書を読む。
「何それ?」
瀬戸君がドリンクを飲みながら私の持ってる参考書を覗き込む。
「バスケの知識ないから勉強を」
「へー、そんなの読まなくても見てれば覚えるんじゃない?」
「一応、ね」
「真面目」
そう言って飲み終えたボトルを籠に入れタオルで汗を拭く。
「さ、かーえろ。花宮〜終わりにしようぜえ」
「原てめえ居残りする程動いてねーだろうが」
「やってるやってる。明日も朝練頑張るし」
「お前は明日2倍な」
えー!と叫ぶ原君の背中にボールを投げる花宮君。そろそろ終わるみたいだし、ボトルを洗いに行こう。私は参考書を閉じてボトルを回収して洗い場に向かった。

ボトルを洗い終え体育館に戻ると何人かがモップ掛けをしていたのでそれに混ざり私も参加する。
後は施錠して終了だ。
モップ掛けが終わり部員達は部室に戻っていった。
私も更衣室で制服に着替える。
体育館の電気を消して扉の施錠をする。帰る部員達にお疲れと声を掛けられ返事を返す。
「みょうじさん、これ部室の鍵。職員室に返して来て」
「うん」
「明日も朝練いつも通りだから。お疲れ様」
「お疲れさま」
花宮君から部室のカギを受け取ると彼は古橋君と瀬戸君と帰って行った。

職員室にカギを返しに行って、すっかり暗くなった空を見上げながら歩く。校門をくぐると山崎君と原君が居た。
「なまえチャン一緒にかえろー」
「え」
「帰り道一緒だろ?それに夜道はあぶねーからな」
山崎君良い人。
私は小さく頷き山崎君を真ん中に3人で歩き出した。
「あー腹減った。なあ、マジバ寄らない?」
「バカ我慢しろよ!帰り遅くなんだろ。みょうじさんいんだからよ」
「わーザキ紳士〜。キモいよ」
「なんだと!!」
仲良いなぁ。2人のやりとりを横目で見る。
「ねえなまえチャン今度はザキ抜きで帰ろっか?マジバ奢るよん」
「はあ…」
「お前送り狼になりそうだからヤメろ」
「ザキちゃっかり俺の好感度下げないでくんない?キモいよ」
「キモい言うな」
2人の漫才の様な会話を聞きつつ駅で別れる。

翌朝、欠伸を噛み殺し朝練の作業を進め終了すると教室に向かう。
1時間目の準備をしていると すずちゃんが登校して来た。
「おはよう、すずちゃん」
「おはよー」
眠そうな顔で挨拶を交わした所で予鈴が鳴った。
目が合ったすずちゃんにVサインを送られ、小首を傾げて理由をアイコンタクトで送るが先生が来た為、仕方なく前を向いた。
何だろうか?

やっと休み時間になり先程のVサインの理由を聞こうとすずちゃんの席に近づく。
「ねえ、すずちゃんさっきの何?」
「あれねー、花宮君のファンに先手打っておいたよ」
「あー。どんな?」
「ウフフー。なまえちゃんにはバスケ部に彼氏が居るから大丈夫だよ〜って」
「………え?」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ