長編
□君の隣
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目を開けると、いつものように小さく伸びをして今日も1日が始まろうとしている。
「ふぁ〜〜よく寝た…」
大学生2年目の朝は遅い。
学校にもだいぶ慣れ、授業も少なくなったので朝はゆっくりできる。
「起きた?」
ガシガシと歯を磨きながらチャニョルがやってきた。
「ん、もう行くの?」
「月曜日は2限からだからー」
「そっか」
既についてあったテレビのチャンネルを変えながら返事をする。
何でもない、いつもの光景だ。
口をゆすいできたチャニョルがひょろりと長い体を折り曲げまだベッドにいる俺に顔を近づける。
キス、される。
ふわっとミントの香りが掠め
かわいらしいリップ音と共にその唇は離れていった。
「じゃあ、行ってくるから」
「はーい行ってらー」
チャニョルと大学で出会い、付き合うようになってから1年が経とうとしていた。
1年前まではあいつと毎日のようにキスするなんて思ってもいなかったのに
ましてや、男と付き合うようになるなんてーー
ふと横を見るとチャニョルが寝ていた形のシーツのままになっていて思わず笑みが溢れた。